皆さんは、国内最高速の在来線電車(新幹線を除いた一般の鉄道)を
ご存知でしょうか?
それは…上・中越地方を走り越後山脈をいくつもの長いトンネルで貫き、
最高時速160kmで走る北越急行です。
と言っても、北越急行全ての電車が160kmまでスピードは出しません。
681系・683系という形式の車両が、最高時速160kmで走ります。
681系サンダーバード
↑681系はこれと全く同じ車両なんですが、北越急行が所有するものと
『はくたか』として運転されるものとで、カラーリングやロゴマーク等
多少違うものがあります。
この車両も、高速安定走行を目指して足回り・駆動形式・空力向上を目指した
車体形状他色んな面で斬新さを持った北陸地方の主力特急電車です。

そして是非観ていただきたいのがこの映像です。
この映像は、今の東海道山陽新幹線の車体形状進化の為の答えと言っても
過言ではありません。
トンネルに高速で侵入すると、これだけの空気の圧力変動が起きるんです!!


だから、沢山のトンネルを高速で通過する新幹線も、この空圧変動を
最小限に抑える為に、トンネル進入時にボディの先端が当たる断面積を
減らして、細長いフロントフェイスにしてるんです。
食べ物の良い例がところてんでしょうか。
ところてんをお皿に出す時に水鉄砲の要領で押し出しますね。
その時に、押す面が平で一気に押そうとすると、かなりの力で押さないと
なかなか出てきません。電車もトンネルに入る時に高速走行だと
フロントフェイスが平だとかなりの圧力が掛かります。
それと同じですね。

そして、この美佐島駅のあるトンネルは単線(電車の通る道が1つしかない)で
トンネルの大きさも電車が1つ通るだけの余裕しかない中に増設してるんで
その分空気の逃げ道に余裕もありません。
(途中『赤倉信号場』という同じトンネル内の列車行き違い場で複線になり
トンネルもその部分だけ広くなり空圧変動が緩和されます)
そして、この駅の映像にもあるように、安全扉等の隙間より圧迫された空気が
逃げ出して『ビュー!!!!』って爆音が鳴るんです。

この事を全く知らない人が美佐島駅で電車を待つと、たぶん凄くビックリして
恐怖を感じる方が多いと思われます。

と言った、電車の形状の物理的な解説ブログでした。