忘れもしない、数年前の7月23日の正午。
その日はとても暑く、街中では30℃を超えていて、仕事していた現場では
800℃蓄熱している『コークス炉』の炉上という場所であり、体感気温は50℃近く
ありました。
もちろん服装は防熱素材の長袖長ズボンに編上安全靴、そして防熱タオルで
顔面・頭部を覆い隠してヘルメット着用。
そんな状態で、炉上にある蓋を剥ぐって800℃の炉内を特殊工具を使って
作業している時に、火傷をしてしまいました。
特殊工具を引き抜くときに、反動でふらついて後方に倒れ掛かって、しかも
運が悪いことに後方の蓋も剥ぐってあって、そこに誤って左足をズボッと…。
一瞬でズボンは焼けてしまい、直ぐに先輩が引き上げてくれて、氷を大量にかき集めて
足を冷やしつつ、皮膚に付いたズボンの燃えカスも剥がしました。
その間、救急車が到着し、ストレッチャーや緊急用リフトで地上の救急車へと搬送され
そのまま病院に向かいました。
救急車の中では、意識が朦朧とする中、何処を走ってるのか?とかを感じ取れました。
そして、病院到着後に凄い震えが襲い、「このまま歩行不能になるのでは…」という
不安も出てきつつ、集中治療室に1週間程入ってました。
それから、先生の紹介により県立の大きな病院へと移動し、本格的な点滴による治療が
開始しましたが、一向に皮膚が増殖しない場所があり、植皮手術へと移りました。
全身麻酔で行ったんで記憶はありませんが、無事に成功しました。
しかし…数日後から事態が急変、身体がだるく全く動かす気になれず、さらに飲食が
全く受け付けず、激しい嘔吐の繰り返しと42℃の高熱が2週間続きました。
その間、原因を突き止めるために、CTを5回(うち一回造影剤入り)・MRIを1回・ソケイ部(股間)
からの動脈採血を3回・点滴と普通の採血を毎日行いました。
そして判明した病名は…『MRSA感染症』でした。
それから、病室も自分一人で隔離されて、一時は面会者・診察に来る看護士さんや先生までもが
消毒をして白衣に帽子とマスクを着用して入る事にまで…。
そして、ある特効薬のおかげで徐々に回復し、次は足の曲げ伸ばしのリハビリというとこまで
進展しました。
しかし、感染症が完治していない為、38℃の熱の日々がしばらく続き、その高熱のおかげで
リハビリまでもがずれ込みました。
そして、半月程のリハビリでしたが、全く歩けない状態から普通に歩行できるまで
復活することが出来ました。
そして、退院後は今は亡きMAXの5速MT車を自分で運転して通院してました(爆)
そんなこんなで、とても辛い火傷のストーリーでした。
グロテスクな左足の画像と生々しい話でしたが、暑いシーズンに涼しくなれたでしょうか?(爆)