Supreme Court strikes down Roe v. Wade (The Washington Post)
「最高裁がロー対ウェイド判決を破棄」。人工妊娠中絶を合衆国憲法上の権利として認めた１９７３年の「ロー対ウェイド」判決を米連邦最高裁が覆す判断を示した、との記事の見出しから。
Roe v. Wadeについては以前も取り上げた。中絶は女性の権利に関する話ではあるが、キリスト教の信仰や貧困と密接に絡んでおり、米国社会を二分する大問題だ。米最高裁では保守派の判事がリベラル派を数的に上回っているため、今回のような判断に至った。米国社会の分断は一層進むことになるのだろうか。
ちなみに、米主要メディアはリベラル派が多いので、報道だけ見ていると中絶を支持する論調が多いように思えるかもしれない。しかし、保守派のFox Newsの視聴率はリベラル派のCNNとCNBCを足した数字よりも上。また、車社会の米国ではラジオの影響力が強いが、ラジオ局は圧倒的に保守派が多い。CNNやニューヨーク・タイムズを見て米国はリベラル社会と考えるのはまったくの誤解だ。米国の保守派は外国人が思っているよりもずっと強固な基盤を持っている。
Photo: Fox News
