こちら、
案外あたたかな二月です。





街なかの道路脇にトコトコと

ハクセキレイ

警戒心なく歩くには
なかなかに大胆
でも
人が多くて
襲ってくる鳥獣がいないから
かえって安心なのかな・・








一方
こちらは人の気配のない

奥深い森の生き物達のお話



『ソロ沼のものがたり』
舘野鴻 著
2022年5月刊



徹底的に
野生動物の生き様に目を凝らして
絵を描く
舘野鴻さんによる




小さな生き物たちの
真剣な生き様を描き出した

ファンタジーでもあり

森や野原や川や沼が

生き物たちの生き死にとともに
ゆっくりと姿をかえていく

雄大な自然の生態系の物語です。



舘野さんの
長年のフィールドワークと画業ゆえ

自然と生き物を描く
文章が
研ぎ澄まされています。


読後、
一生懸命な生き様に勇気をもらう
というより

私はある種の諦念を感じました。

子どもには手強い物語かと思ったら
舘野さんのもとには
幼い子ども達の
熱烈な感想の手紙が届いているそうです!
凄い!

舘野さんの物語に共鳴する
子ども達のほうがよほど
本物に敏感で
「諦念」なんて言葉で片付けないで
核心を突いた読みをしていることでしょう。




『がろあむし』2020年
『しでむし』2009年
 舘野鴻 作


舘野さんの描く絵は
写真以上に
自然がなまめかしいです

その場所の
暗さ明るさや湿度温度
空気の流れも感じます。


実物よりも大きく
今にも動きそうな虫たちには
魅入られる人と
見られない人に分かれそう。



絵本は
虫の一生の紹介にとどまらず
『ソロ沼のものがたり』と同じように
自然と生命の循環が描かれています。




むかし、この広い山すそで
大きな山火事が起きました。

一面に広がった森も、
ここに住んでいた虫たちも、
みな焼けて黒い灰になりました。

生き物の気配が消え、
山すそは黒い灰におおわれた、
広い広い焼け野原になりました。

つぎの年、
小さな草の種がどこからかやってきて、
黒い地面から芽をだしました。

つぎの年もそのつぎの年も、
すこしずつ草の種がやってきては芽をだし、
虫がやってきて、
けものがやってきて、
やがて焼け野原は、
広い広いすすき原になりました。    

「ぎんいろてんとう」『ソロ沼のものがたり』より




男鹿市役所サイトからお借りしました






こちらも
人というより
古家具が主人公の物語


   


『花盛りの椅子』
2022年2月刊
清水裕貴



いわゆるアンティークではなく

廃品に出されるような
ひどく傷んだ古家具を

古家具の「気配」を殺さないように
苗木が大きく育つように
あるべき姿に
リメイクする森野古家具店。


家具職人見習いの鴻池さんが出会う
古家具の物語、
連作短編集です。

といってもいわゆる
お仕事小説とは趣が異なっていて


目利きの森野社長や鴻池さんが
見つけてくる家具は
伊勢湾台風や関東大震災
阪神淡路大震災
東日本大震災などで傷んだもので

鴻池さんは
気づかぬうちに
古家具の歴史がみえています。

すこし怪談のような。

芸術家である作者鈴木さんと
おそらく
同じように美大出身と思われる
家具職人見習いの鴻池さん

彼女の目に見え感じることが

いささか奇妙でも
在るがままを受け容れる
その
視覚、触感、時間の経過が独特です。

読んでいると
芸術家の眼差し
あるいは
古家具の眼差しに
シンクロしてくるようです。


古家具が語る
淡い思いや
性暴力やヘイトの記憶。

題材は痛ましいはずなのに
古家具があるべき姿へと
リメイクされていくと
行き場のなかった
気持ちの落ち着きどころが
見つかるような安らぎがありました。





こんなふうに
震災を
人々の思いを語りえるのか、と
静かな衝撃を受けました。


『想像ラジオ』
2013年刊
いとうせいこう



想像ラジオという
想像力の声で
生者と死者が互いを思いながら
生きていける時空を描いた
『想像ラジオ』

作者のいとうせいこうさんと
清水裕貴さんが対談されています。



震災や戦争の被害を受けた

当事者でないと
描けないと躊躇っていては

いとうせいこう
「死者しか語る権利がないことになる。
それは無言です」

体験者がいなくなった途端に
語れなくなるのではなく、
誰かが語らねばならない。

ではどう語るのか。

いとうせいこうさんは今も
東日本大震災被災の聞き取りをされています。

「自分を通して
悔しいこととか残せるものはあるかなと
居ても立ってもいられなくて」

清水裕貴
「(創作は)体験とかを寄せ集めて、次に継承していく仕事であるべきとは思ってます」





何を聞き、伝えていくか、は
書き手だけでなく
読み手にも託されていると思いました。
















 







備忘録 早春のつれづれ


10月に植えた
カリフラワー、ブロッコリーを
1月から収穫。

放ったらかしで手間いらず!
美味しかったのが
スティックカリフラワー。

いんげんが手軽だったので
2月はじめに天豆の苗など入手。
ところが
アブラムシ防除が肝!とのことで
無農薬のズボラ菜園だと
虫たちにやられてしまうかも泣き笑い




昨年
私が寝落ちして
やらなかった豆まき

ついに子から
めんどくさいと
卒業宣言ガーン

それぞれ恵方巻きを巻いて
豆だけ食べる。



・・またやりたくなったら、
やることにしようニコニコ






皆さまも健やかにお過ごしでありますように。