雑談記事です。
『パラサイト 半地下の家族』の
ポン・ジュノ監督が
『テネット』の
ロバート・パティンソン主演で
映画化すると知り
邦訳を楽しみにしていたSF小説
『ミッキー7』
エドワード・アシュトン
大谷真弓 訳
2023年1月刊
発売と同時に読みました。
タイミング良く、
来年公開映画の映像も公開されています。
出演は他にスティーブ・ユアン、トニ・コレット、マーク・ラファロ、ナオミ・アッキーなど豪華キャスティングです。
使い捨て人間の契約をして
氷の惑星への移住のための
超危険な仕事を
一手に引き受ける
主人公ミッキーの物語。
ミッキーは
普通の若者なのに
ひょんなことから
使い捨て人間として契約をすることに。
使い捨て人間とは
残飯からでも
体を容易に培養でき
記憶もクローンにデータ移行できる
ある意味で不死の存在。
死んでも再生される
とはいえ
未知の病原菌の人体実験や
放射能汚染された仕事など
死ぬまで激痛に耐える仕事ばかり
人の痛みへの恐怖を考えると
この仕事を淡々とこなすのは
フィクションとはいえ
現実みに欠けるなぁ
と謎に思って
ポン・ジュノ監督の過去SF作品
『スノーピアサー』を観たら
人為的な氷河期の地球を走り続ける
ノアの箱舟列車「スノーピアサー」。
ありえない設定が目につきましたが
先頭車両の上流階級から最後尾までが
格差社会の縮図
走り続ける資本主義経済を揶揄した
ともいわれる作品でした。
『パラサイト 半地下の家族』も
格差社会が内包する怒りや不満を
表面的には調和してみえる宿主(富裕層あるいは社会)を食い破る寄生虫に重ねた
その危うい構図が印象的に思っていたので
テーマを浮かび上がらせるために
誇張したフィクションを描く
そのためにあえて
配役をステロタイプや
記号的に描くことを
作風の一つと割り切れば
ポン・ジュノ監督は
『ミッキー7』の
何を掬いとり、改変し強調して
現代を描き出すのか
楽しみに思えてきました。
例えば・・・
究極なブラックバイトで
働くミッキー
(死んでも辞められない)
役に立たなくなったものは
人肉すら資源として消費される
(搾取される社会構造)
植民地先の先住する知的生命体を
虫けらのように扱い
利己的な理由で殲滅しようとする
(原作では先住生命体はわかりやすくムカデ)
武力を抑止力にして平和を保つ
(核保有国家のパワーバランス)
近未来のSF設定でありながら
どれも
現代社会で起こっていることに重なります。
特に
生身の体が重宝される役目のために
死んでも再生され
辞められない仕事に従事する
人間ミッキーの前向きさは
その活躍すら
今を風刺しているようです。
ポン・ジュノ監督がどう描くのか
来年公開され答え合わせできるまで
つらつら想像する楽しみができました。
最後までお付き合いくださり
ありがとうございます。



