舅が2014年に認知症と診断をされてから、舅の見守りはもちろん、身の周りの世話をしてきました。

舅が1階、私達が2階の二世帯住宅に住んでいたというのもあり、義姉は「嫁がみるのが当たり前!なんのために一緒に住んでんの?」と言うし、主人は昔から舅と仲が悪いから接点を持とうとしないし、主人も義姉も口を開けば「仕事があるからムリ」と言った。

いや…私だってフルで働いているし、子供達の食事や学校、習い事などもあるし、私の母が余命宣告を受けた年でもあるというのに…私の事情を汲めない、自分優先主義の非情な主人と義姉に呆れました。

 

舅は超~高学歴&会社ではそれなりの地位にいた人なので、プライドは高いし、上司のような言い方をするし、私のことを見下しているからいちいち指図した。

私が反論すると「生意気だ!君は私の言うことを聞いていればいいんだ!私が言うことに間違いはないんだから!」とよく言われました。

 

元銀行員の舅は時間にもとてもうるさくて、食事の時間も決まっていたから、私が数分遅れただけで「遅すぎる!」と怒鳴られた。

 

主人に舅のことで文句を言うと「だろ?ミーもわかっただろ?アイツ(舅)は本当に嫌な奴なんだよ。だから何もしなくていいから」と言うだけでした。

 

舅を施設に入れれば私の苦労が終わることはわかっていたけれど、舅は「施設に入りたくない」「家がいい」とよく言っていました。

 

舅の気持ちを汲んで在宅のままだと私が大変で苦労する…

でも私の希望だけで舅を施設に入れてしまったら、入りたくないって言っている舅が可哀想…

こう考えると、私の気持ちの踏ん切りがなかなかつかなかったし、地域包括支援センターのKさんも、在宅のケアマネも「お舅さんの身体は元気だから、まだまだ在宅で充分です」と言うから、施設入所の検討はしないで私が踏ん張るしかなかった…。

 

でも私の心も身体も精一杯で壊れていく感じがしたし、子供達にも迷惑をかけているし、舅の世話がどんどん増えていくから会社にも遅刻&早退をすることが増えてきて迷惑をかけるようになった。

私の気持ちの吐露や相談、私はもう限界ということを地域包括支援センターのKさんや在宅のケアマネに訴えていましたが、話を聞いて同調はしてくれるものの、励まされるだけでしたね…。

 

「舅=介護される側」と「私=介護する側」って、どちらの気持ちが優先されることなんでしょうか。

 

当時の地域包括支援センターのKさんと在宅のケアマネは私の味方ではなくて、舅の気持ちに添っていたと思います。

 

実子である主人と義姉が舅の介護を放棄している現状では、嫁である私が担えば、地域包括支援センターのKさんも在宅のケアマネも2人の仕事的にはよかったんですよね。

2人から「キーパーソン」という言葉をよく聞きましたが、誰かをキーパーソンにすれば在宅で介護ができるから、私の話を聞いて励ますことで、私をキーパーソンとして成り立たせようとしていたのではないか?と思いました。

 

すごく苦しかった…あの時の私。

変な訪問販売が舅宅に来ていたから追い払ったり、届けた運送業者に向かって「私は頼んでいない」と舅が怒鳴ったり、あげればキリがないほどある舅のいろんな出来事を私が1人でフォローをしていた。

主婦、母親、仕事、そして舅の介護を担っていたから、時間に余裕がなかったし、自分の時間もないし、気持ちも目一杯で眠れなかった日がほどんどだった。

そんな時、舅が近所で事件を起こした…

2017/12/8の記事→【認知症の舅が…逮捕された

 

舅を怒鳴る主人、私の後ろに隠れる舅、怒り狂っている主人に「認知症という病気なんだから仕方がない」と言って舅を守ったけれど、私の気持ちも「人様に迷惑をかけるようになったから、もう私だけでは面倒をみきれない」と思ったし、しっかり者の舅がそうなってしまったことのショックや、私がちゃんとみていなかったのがいけなかったんだと思ったり、もっと私が頑張ることなのか…と思っては涙が溢れた。

 

舅が起こした事件をきっかけに、主人がようやく「施設に入れる」と言い出してから一気に流れが変わったように思う。

 

私も施設入所をお願いしたかったけれど、入りたくないと言っている舅の気持ちを無視していいのかと何度も思ったし、でも私はもう舅の面倒をみるのはムリだという気持ちもあったから、私の気持ちが葛藤した。

 

施設のケアマネと出会って、こう言われました。

よく今まで頑張ったわね。

介護サービスは利用者が拒否をしてしまったら、ある意味、何もできないサービスでもあるんですよね。あとは私達プロにお任せください。私達が一番に望むことは、ご家族様の気持ちに余裕をもっていただきたいんです。そうじゃないと正確な判断がつけられません。それとお舅さんのことを悪く思ってしまうことも悪影響の1つです。お舅さんのために、いい選択をされたと思いますよ。

施設のケアマネが溢れてくる涙で見えにくくなった…

あーそうそう、私はこういう言葉を待っていたんだと思いました。

※2018/2/3の記事→【認知症の舅の体験入居をお願いしました】に施設のケアマネの言葉が書いてあります。

 

施設のケアマネと地域包括支援センターのKさんと在宅のケアマネでは立場が違うから、同じケアマネでも言うことが違うのはわかります。でもこの当時の私としてはもう在宅で面倒をみるのはムリだったから、施設のケアマネの言葉に救われました。

「介護される側(舅)の味方→在宅のサービス」

「介護する側の味方(私)→施設のサービス」

と、私は思いました。

「介護する側」の方が抱えているものが圧倒的に多いと思うんです。自分のこともやった上で、心身共に余裕がないと人のお世話はできません。当時の私みたいに「もうムリ」という気持ちがあるのなら、我慢しないでギブアップして欲しいです。

 

その後、施設のケアマネの言葉通り、私は施設にいる舅と面会するたびに舅の新たな一面を見たり、舅の優しさや紳士な対応に触れたりと、在宅の時と違って優しく&笑顔で接することができるようになりました。

 

そうなれたのは施設のおかげですし、舅が亡くなった時に溢れ出てきた私の涙は嘘じゃない。施設に入ってから舅と過ごした時間と、舅との信頼関係とお互いの思いやりの気持ちがあったからこそ、流した涙だと思うのです。