
単館公開から始まった映画がやがて全国公開となる…
なんて夢のある映画なんでしょう。
クラウドファンディングとは素晴らしいシステムですね。
きっと投資をされた方々や団体は鼻が高いでしょう。
小さな映画館でしか観られなかったはずの映画が
全国の一番大きなシアターで公開されているのですものね。
ストーリーは
ぼんやりした性格の主人公の女性が
戦争の混乱の中で生き抜いてゆく話です。
それで私は少し悩んでしまいました。
この映画の良さは
戦争にも挫けずに
家族や大切な人達とけなげに生きてゆくホンワカとした主人公の在り方かと思います。
戦争とは結局
上の偉いさん達が勝手に始めて勝手に終わらせたもので
一般の庶民はその戦争に巻き込まれながら
どんなに辛くても悲しくても文句も不平も不満も言わずに
おとなしく流れに任せて生き抜くしかなかった。
どんなに戦争が身近でも
お腹が空けば何か食べるし
絵が描きたければ描くし
愛する人と愛し合うし
生きているうちは淡々と日常が続くのです。
その戦争と日常の対比が
改めて戦争の異常さや狂乱さを示しています。
私はどうもこういう映画は苦手なのです。
ホンワカとしたのんびり屋さんの主人公にも違和感があります。
幼い姪っ子が目の前で爆死し
自分自身もその姪っ子と繋いでいた右手を失います。
それでも作者は
この主人公をホンワカとしたのんびり屋さんで通しますが
これは観ていて辛い。
終戦を迎えて思わず怒りをあらわにするシーンもあるのに。
なんか違和感。
戦争の悲惨さとホンワカとしたのんびり屋さんの対比は
私はただただ苦痛なだけでした。
原爆が落とされた近くで母親を失った幼子を引き取るかのシーンもありますが
おそらくこの幼子も被爆しているのであろうし
主人公の家族達が一生懸命笑いながら生きている姿で終わるけど
きっと地獄はまだ終わらないんだろうなと
先読みしてしまう私には
とってもじゃないけど良い終わりかたには思えません。
戦争は悲惨な誤りだと激しく断言して良いと思う。
戦争批判映画なら容赦はいらないと思う。
それでも何人かはちょっとは幸せな瞬間もありましたっていうのは
やはり観ていて迷うというか悩む。
ただ
戦争をこんなふうに表現するのもあるんだなあと感じました。
いずれまた観る機会があったら
その時は違う思いが沸くかもしれません。