母の知り合いだった初老の男性と映画に行ったことがある。
三十年も前の話です。
その男性は映画が好きなのだが
一人で映画館に行けず、いつも奥様と行っていた。
しかし、この時は単身赴任の身で
映画館に行けずにさみしい思いをしていたらしい。
友人には映画がわかる者がおらず
ましてや同年代の女性など誘ったら、単身赴任の身
どんな噂がたつか知れない。
それで母からのつてで映画好きの私に声がかかったわけだ。
父親以上に年が離れたおじいさまだったので
私なんか映画館に連れて行っても
孫くらいにしか思われないでしょうとのことで。
そんなに周りを気にするには
この男性がある程度の地位の方だったからと思いますが。
で、誘われた映画というのが
極道の妻たち
五社英雄監督
岩下志麻主演
いやいや
目に毒でした(笑)
大人の映画です。

なんだか変な汗かきながらスクリーンを見つめていた記憶があります。
なんだってこの横にいるおじいちゃんは
私をこんな映画なんかに連れてきたんだ?
と繰り返し疑問に思いながら。
映画を見終わって帰るとき
この方は私の手を握り
何度も何度もお礼を言っていました。
五社英雄監督と岩下志麻さんが大好きなんだそうで
どうしても観たかったのだと。
勇気がなくて一人で行けなかったが
あなたと行けて本当に良かった。
ありがとう、ありがとう、と。
私としても
映画が観られたし、感謝されたしで。
そしてこの『極道の妻たち』をきっかけに
私も五社英雄監督と岩下志麻さんが大好きになりました。
極道の妻たちシリーズはほとんど観ていますが
主演岩下志麻シリーズはすべて観ています。
五社監督の『鬼龍院花子の生涯』も凄い映画でしたね。
何より
志麻姐さん
カッコイッす!
やっぱり極妻の姐は
志麻姐さんしかいないっす!
