仕事の帰りの電車内
わたしはつり革に捕まっていて
斜め前にはギャルっぽい女の子が２人
キャッキャ言いながらスマホを見ていた
ギャルの前にはオトコノコ？（20歳くらい）が立っていて
よく見ると、手には白い杖が・・・・
ギャルたちはスマホに夢中で
前なんて全然見てなくて気づいてないよう・・・・
で、わたしの前の人が降りたので
隣のオトコノコの肩を ぽんぽん と叩き
「座りますか？」と聞いてみた
男の子は無言でくるっとこっちを見たんだけど
目は真っ白で確かに見えてはいなさそうだった
正直ちょっとだけ
「うっっ・・・」って声が出てしまった
オトコノコは何も言わず
すごいいきおいでわたしの手を取った
「え？？・・・」ってなったけど
盲目の人はこんなもんかな・・・と思って
そのままわたしの前の席に誘導した
その時
わたしの手を掴んでいたオトコノコは
わたしの手を自分の鼻に持って行き
クンクン・・・
と嗅ぎ始めた
「ひぃぃぃっっっ」ってなったので
ちょっとだけ
ちょっとだけだけど押して座らせてしまった
しかもその座らせる瞬間
顔をものすごくわたしの顔に近づけて
わたしの匂いを嗅いでいた
一瞬だったけど
めちゃめちゃスローで覚えてる
座ってからもオトコノコは
自分の手を嗅いでいた
なんだか気味が悪かったけど
見えてないだろうし
気にするな、と思って
そのままオトコノコの前に立っていた
熱心に匂いを嗅いでいたオトコノコ
ふと見ると・・・
ズボンに異変が・・・・
股間あたりが
どんどん盛り上がってくる・・・
うっっ・・・
これは・・・・
とうとうわたしはそこを離れた
降りるフリをして隣の車両へうつった
オトコノコはきっと
それも見えないんだろうけど
もうわたしが見ていられなかった
わたしはどうしたらよかったんだろう
他になにができたんだろう
なにかいけないことをしてしまった気がして
なんだか気分が晴れなかった
ゆーさくさんに話したんだけど
「きっと、目が見えやんだけでなくて
なにかしらの障害がある人なんやと思います
自閉症とか、なんか他の・・・
だから みーさんはそれでよかったんですよ」
って言ってくれて
少しホッとした自分がいた
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