皆さんは登山用にどのようなカメラを持っていくのだろうか?
ネットで、登山向け推奨カメラで検索をすると一様に「対衝撃性」「防塵防水」「コンパクト、軽量」などなど
おそらく登山をしていないガジェット系の方々の想像による回答ばかりが目に付き、全く現場に即していない
中には、身長の高さから落としても大丈夫な対衝撃性を持つべきであるとか、カラビナに付けられるようにと言ったものなど、昭和ではない現在カラビナにぶら下げる人がどれだけいるだろうか
まあ、岩場の急斜面などで落としたら身長どころの騒ぎではない、そんな事は登山をする者は十分承知をしておりストラップなどの対策は既に講じている
さて、現実的な話に入るが、自身の登山用カメラに対する考え方は、数年前までは、登山はいわば泥んこ遊びみたいなもので、汚れたり、ぶつけたりするのはあたりまえという思想により壊れても良いカメラをいつも持っていっていた
それがキャノンS95であった
◆Canon PowerShot S95
これは随分前から使っているもので、現在所有しているS95は3台目である
なぜ同じS95を買い直しているかというと、仕事で使用するには非常に便利で、データ容量も現在の様に大きくはなく、室内外でも大体綺麗に取れハズレが少なく、暗ければフラッシュも自動でポップアップをするし、ポケットに入れてもそれほど気にならない大きさで使い勝手が良いからである
そして、登山に持っていっても仮にぶつけたりして壊れてもまあまあ諦めやすいと言う事も大きなポイントである
画質も、まあこんなものだろうと言う感じで、気温が-10℃位の低温になると、大体どのデジカメでも見られる様な少々青っぽい寒色系になる傾向が強い
そして、ある雪山登山の時、自身は S95 を出し撮影をしていたのだが、後続の若い方は、ショルダーに付けたワンタッチホルダーから大きなミラーレス一眼を取り出し撮影をし始めた
その時、初めて、それまでの登山向けとして何よりも優先されるべきは携帯性であるとの思想から、ちょっと画質にも拘らなければならないのかな? と考えに変化が生まれた
たしかに、ネットや Youtube 等の画像を見ると、皆さんすごい気合いの入った絵を掲載されている
特に頻繁に行けるところではないので、やはり一生モノのデータとしてできる限り良い画質で残しておくべきなんだろうな
と思想が変わってきた
それまで、自身の所有するカメラは先述の S95 の他に、古い一眼レフカメラのキャノン60D、そして同じくキャノンの PowerShot G7 X Mark2 を持っていた
◆EOS 60D
流石に古く、画質も過去のもので、最近ではもっぱら、花火撮影用に使用していただけであった
◆Canon PowerShot G7 X Mark 2
このカメラは、オークション出品撮影などを主として使い、少々重いという事もありあまり外には持ち出していなかった
ただ、ここぞという登山には携行をしていたと思う
焦点距離は 24~100mm で f値は f1.8~f2.8 とまずまずである
何はともあれ、使用期間も長く、一番信頼の置けるカメラである
そのため、壊れると心のダメージが大きいため、あまり外には持っていきたくないとも思っていた
さて、ここから、具体的に登山用に改めてカメラを購入しようと考え始めた次第である
先ずは、1インチのセンサーを持ちコンパクトな Canon PowerShot G9 X Mark 1 に目が行き、これを購入
◆Canon PowerShot G9 X (Mark 1)
早速、北岳に持って行ったが、期待するような感動する写真はほとんど出てこなかった
特に、実際の登山では早朝4:30頃の撮影であったり、狭いテント内での撮影などもあるが、こう言った撮影は
この G9 X Mark 1 (Mark2 も同様)は苦手で、ブレブレの写真がつらなっていた
まあ、この北岳山行では使い始めたばかりで、このカメラのこう言った癖や対処方法を考えずに使用した事も大きな理由ではある
◆Canon PoweShot S120
自身としては随分お気に入りの S95 の S シリーズ最後の S120 は押さえるべきと考え、一応手に入れてみた
24~120mm と言う広角から中望遠まで守備範囲が広く、更に広角側でf1.8と明るいレンズであった
こう言った意味で登山用のカメラとしては適しているのではないかと思っている
しかし、センサーは1210万画素と今では小さく、あまり自由にトリミングができない弱点もあった
またこれを手に入れた時、既に G9 X Mark 1 を所有していた事もあり、あまり出番はなかった
この S120 は先述の通りズーム範囲が広く、レンズも明るく評判の良いモデルであったがレンズ沈筒部の
フレキシブルケーブルが断線し易く一時リコールとなったが、結局このせいかどうかは分からないが S シリーズはこれを持って幕を閉じた
この後、直ぐに G9 X Mark 2 も手に入れてみた
◆G9 X Mark 2
自身はこの G9 X Mark 2 と Mark 1 の両方を持っているが、画質、使い勝手など違いは分からない
いや、レンズユニットは全く同じものであるので画質などは全く変わらないと言っても良いのではないかと思っている
中古市場では、この Mark 1 と Mark 2 では価格が全然違うが、自身としてはこの意味が分からない
まあ、画質は一緒で性能的にも大差なくどっちもどっちであるため、買うなら全然安い Mark 1 がお勧めである
九重山
前穂高山行
このカメラの自身の見立てとしては、G7 X Mark 2 とセンサーは同じだがコンパクトさを優先しすぎたため焦点距離は 28〜84mm と狭く、そしてf値も f2.0~f4.9 と明らかに暗い
これが災いして、自撮りは画角的に狭く厳しく、テント内や早朝などちょっと暗いと直ぐにブレる事になる
また特に雪山で辛いのは、その小さなスイッチでグローブを付けたままでは操作はほぼ不可能である
また、各種設定は物理スイッチではなくタッチパネル操作がほとんどであるため、防寒グローブのままの操作はまず不可能であり
厳冬期山頂の撮影では相当に難儀をする事になる
誰もいない山頂ではどうしてもセルフタイマーを使うのだが、これが結構大変となる
自身は1月初頭の厳冬期横岳山頂(約-17℃)で、防寒グローブを外し撮影をしたおり、指先が痺れ、約1ヶ月ほど麻痺した状態が続いてしまった
以上否定的な意見を書き出したが、実際の所、現在までこのG9 X Mark 1 と Mark 2 は何れかを何時も外出時にはカバンに忍ばせており使用頻度は一番多く、またそれは信頼性が高いと言う事なのであろう
そのためこのカメラには感動する画質までは求めてはいないのだが、今改めて思うと、安定した画質で撮れ、気軽に持ち運べる良いカメラであると思う
現在この G9 X Mark 2 はディスコンとなっており、中古市場の値段も新品時と変わらないほど高騰している
これと言うのもこのサイズで1インチのカメラは確かに唯一無二であるからであろう
自身も所有するこの G9 X Mark 2 は希少性が高いと感じており結構大事に扱っている
さて、以上の様に画質に拘ろうと考え、数台のデジカメを手に入れたが、結果的にはあまり感動を抱くまでには至らなかった
そのため、改めて様々なカメラを物色しはじめた
気がつくと最近デジタルカメラはキャノンばかりを使ってきたが、これを機に初めて 富士フイルムに興味が沸いてきた
そしてその選定にあたり、決めた条件は次のとおり
1.山道では簡単にレンズは変えられないため、固定レンズで良いのではないか
2.とにかく画質がよいこと
3.多少大きくても仕方ないが、できればコンパクトな方が良い
で浮上したのが富士フイルムの X100V である
これでも一応コンパクトデジカメなのだそうである
◆Fujifilm X100V
初めて富士フイルムを使ってみて、驚いた!
画質、色合い全てが素晴らしく、今まで経験した事が無いような感動さえ感じられるものであった
しかし、実際に購入をし手に入れて改めて登山用に適しているか自問をする
・ズームが無くては使える範囲が限られるのでは無いか
・手ぶれ補正が無くて、早朝、夕方、テントの中で撮影ができるのか
・固定レンズのデジカメの範疇であるが決してコンパクトでは無い
実際に、上高地に持って行き写真撮影を行ったが、35mmと言う画角は狭すぎ、山行の撮影では全体を入れる事ができず
不満が残る、かと言って遠方が撮れるわけでもない
要するに中途半端であった
そのため、直ぐにワイコン、テレコンを購入し、改めて上高地に出向いたが、実際のところ、ワイコンも、テレコンも
歩きながらクルクル回して取り付ける事は難しく、そのうち面倒になりほとんど使わなくなってしまった
そのため、その次のモデルを考え始め、選んだ機種が、同じく富士フイルムでズームのあるデジカメで更にコンパクトモデルである X20 を手に入れてみた
◆Fujifilm X20
古いモデルであるが、色合いは X100V と同様に素晴らしく、ズームもあるため X100V よりは遙かに使いやすく、そして
コンパクトである
しかし、この X20 は山行には一度も持って行ってはいない
なぜか・・・
X20 と言うカメラは、X100V 同様に、今でも高値で取り引きをされているカメラで、実際に現場へ持ち出すカメラでは無く
コレクションとして大事に残しておく様なポジションのカメラであるような気がする
外観を見ても 両機共にデザインが秀逸で、登山などに持って行くのは罰が当たりそうなモデルである
また X20 は相当古いモデルで、画素数も1千万ちょっとであり、少しでも拡大をすると粗が見えてくる画質である
ここで、改めてじっくり考えて見る・・・
・色合いは富士フイルムが良い
・登山途中ではレンズの交換はしたくは無い
・しかしミラーレス一眼ならレンズを選ぶことができるし、交換もできる
・画質を優先し、少々重くても我慢をしようか・・・
と言う考えのもと、決めたのが 富士フイルム X-T5 である
で購入をした・・・
皆さんご存じかと思うが、人気が凄いのか生産数が少ないのか、今年の2月に発注して未だに手元には届いていない
◆Fujifilm X-T5
そこで、何時入荷するか分からないものを待ってはいられないので、サブ機として 富士フイルム X-T30 を手に入れてみた
これは、感動をする絵を出してくれた X100V とセンサー、エンジン共に同じであるため 同じ絵が期待できると言う思いと
ミラーレス一眼では非常にコンパクトである事から選択をしたもの
◆Fujifilm X-T30
◆Fujifilm X-T30 + 250mm
予想通り、X100V と同等の画質と、色合いが得られ、レンズも選べる一眼でありながら、非常にコンパクトで登山には向いていると思う
ようやく登山向けのカメラとして最適なモデルを手に入れたと思っていた・・・
画質、色合い、コンパクトさなどほぼ満足はしたのだが、実際に使って見ると更なる欲が出てきてしまった
それは望遠である
今付けているレンズは標準レンズと呼ばれる XF18-55mm である
これ以上の倍率のレンズは折角の X-T30 のコンパクトさがスポイルされてしまうので使いたくはない
この XF18-55mm 以外には XF16-80mm を X-T5 用に手に入れているのだが、これは結構重い
これ以外にもアダプターを介せばシグマの125mm、キャノンの250mm のズームがあるが、完全にコンパクトではなくなってしまう
この補完として自身の場合、ミラーレス一眼だけでは小回りが効かないと考え、大体 G9 X Mark 2 をサブ機として持っていく
そのためこのG9 X Mark 2 の28~84mmも射程範囲となる
また必要であれば G7 X Mark 2 を持っていけば 24~100mm までカバーできる事になる
テント内、自撮りをする場合、最低でも24mmはほしいところである
で、そんな中、アンチソニー派の自身としても、一応高級デジカメとして君臨をしているソニー RX100シリーズを知らない訳ではない
実はキャノンの PowerShot G5 X Mark 2 も狙い目ではあったが、現在所有している G7 X Mark 2 とセンサーは同じで画質の差はあまり変わらないと言う意見が多く、見合わせていた
またズーム範囲も24~120mm で G7 X Mark 2 とそれほど大きな違いは無い
そのためアンチソニーの自身は見て見ぬふりをしていたのだが、やはり気になり今回一つ前のモデルで 24~200mmの画角を持つ RX100m6 を手に入れてみた
◆ SONY RX100 Mark 6
未だ山行には持って行ってはいないが、近所を散歩してみる
聞いてはいたが、やはり f2.8 ではあまりボケない
200mm望遠はありがたい
200mmとは言え、画質が相当落ちるわけでもないようで、まずまずの画質である
撮影日は生憎の天気で、カメラのせいではないにせよ、あまり感動的な絵は出なかった
さて、今月末にでもまた山へ行こうと考えており、この時に持参をしようと思っている
但し X-T30がメインである
但し、色合いに関してはやはりカメラ新参者のソニーの弱みなのであろうか、実際の色とは異なっている
特に最近非常に綺麗で色合いの良い富士フイルムを主力に使っていたので、特にその差を目の当たりにしている
今回、所有するカメラを改めて撮影をしたのだが、そのほとんどを一番信頼をしている Canon PowerShot G7 X Mark 2 で
撮影をしている
しかしながら、G7 X Mark 2 の撮影では自身では撮れないため、仕方なく RX100m6 で撮影をしたのだが、その色合いの差に少々驚いた
◆G7 X Mark 2 で撮影をした X20
◆RX100m6 で撮影をした G7 X Mark 2
※レタッチ無し
色合いは淡泊で、実際の床の色とは異なる
◆RX100m6 で撮影をした G7 X Mark 2
※床の色合いを修正レタッチしたもの
因みに、登山ではもう一台カメラを持って行っている
それはちょっと古い iPhone Xs である
その画質は・・・
◆iPhone Xs
う~ん 意外に悪くはない
もちろん、このサイズだからね
伸ばしたら終わりではあるが・・・
けど悪くはない
ましてやこれは Xs であるため最新の iPhoneではもっと綺麗なのであろう