周囲に広がる広大な田園地帯。四季折々の表情を見せ溝延を彩るその田園地帯にも、紐解けば古く長い歴史があるようです。
溝延地区の西側、丹野園付近から寒河江三泉方面へ向かう街道を進むと、左側の田園地帯に不動木(ゆするぎ)遺跡があります。
(三泉街道沿いから眺める不動木遺跡・奥は桜つつみ)
不動木遺跡では、昭和60年の発掘調査によって、竪穴住居跡・堀立柱建物跡・溝跡・井戸などが確認されました。そのほとんどは、8世紀後半から9世紀初め(奈良時代後半から平安時代初期)のものと考えられています。
古くは古代奈良時代から、ここ溝延では生活拠点としての歴史と文化を刻み始めていたようです。
(不動木(ゆするぎ)遺跡)
竪穴住居跡からはカマドをもつ住居も見つかっており、また堀立柱建物跡の中には、竪穴住居跡よりも古いものが存在することが確認されたようです。
土器は溝跡から多く発見され、錘(網のおもり)や砥石なども発見されたようです。珍しいものとしては須恵器(すえき)の硯(すずり)が発見されました。円形硯と呼ばれるもので、当時、既に文字を書く人がいたことを立証する重要な手掛かりになったようです。
山形県西村山郡河北町大字溝延字不動木 地内
「続縄文文化」、歴史の教科書では一文で済まされてしまう東北の古代史ですが、実は進んだ文化も取り入れながら、独自に変化を目指し、発展していたそんな時代があったのではないでしょうか。
知られざる古代の姿、興味深いものです。
いにしえを語る唯一の目印。不動木(ゆするぎ)の石碑が、桜つつみを臨みながらしっかりと古代の溝延を語り継いでいました。
【溝延散策に役立つカモ『machi歩きMAP(参考)』】
道の駅寒河江チェリーランド レンタルサイクル⇒レンタサイクル:寒河江市観光物産協会 (sagae-kanko.com)
※溝延へは寒河江川沿い下流へ片道10分程度の道のりです。サイクリングロードをご使用ください。
≪交通アクセス≫
高速道路 山形自動車道 寒河江ICより 10分程度
東北中央自動車道 東根ICより 8分程度
天童ICより 15分程度
おいしい山形空港(東京・大阪・名古屋・札幌線)
車で10分程度
最寄り駅 左沢線 寒河江駅 車で10分程度
山形新幹線(奥羽本線)
さくらんぼ東根駅/天童駅 車で20分程度
バスストップ 仙台⇔寒河江線 寒河江高速バスストップ
車で10分程度
河北町路線バス 南部線 ※「丹野園」バス停下車
河北町観光協会HP 参照
不動木遺跡発掘調査報告書 参照
全国遺跡報告総覧⇒http://sitereports.nabunken.go.jp/ja/6559