昨日はSociology(社会学)の最後の授業であった。

といっても今日は学期の締めくくりの様な物。
"What is a good society?"と
教授が学期の始めに投げかけた疑問に
今まで学習した様々な人の考えから答えてみようというもの。

C. Wright Mills, Durkenheim, Marx and Engels,...今学期でさまざまな
学者の考えに触れて来た。彼らの言葉は、情熱的で、
正しいか正しくないかは別にして、胸を打つ。

しかし今日私が一番胸を打たれたのは教授の言葉であった。

彼女は5年前に、「寿命4年」という診断を下された、原因不明の
癌と戦っている。彼女は、しかし、ある白人と黒人の医者それぞれに
「寿命をきにするな。手だてはある」と励まされ、
奇跡的に今日まで生きて来た。
その辛い病棟の日々を思い返し彼女は言う。
「例えば、今も黒人の人が学ぶ事を拒否される社会だったら
私はどうなっていただろう?」

彼女が言いたいのは、"We cannot distrust anyone."(私たちは誰も信頼しないべきではない。)
ということ。
つまり、今の世の中人種や文化に関係なく
誰が癌の治療法を発見したりするか分からないという事。
みんなが助け合う社会こそ理想だ、という事。

彼女はさらにこう云った。
「私は寿命をかかえ初めて残りの人生をどう生きるべきか考えた。
私の出した答えは、他人を影響させると言う事。
私はいつか死ぬ。しかし私が死んだとき、みんなが泣いて私の死を悲しがってほしい。
そのぐらい私はあなた達若者に多くの事を教えたいし、
自分達の力で社会が動かせるという事を理解してほしい。」

涙ながらに語る彼女を見ていると私も目頭が熱くなって来て
涙が後から後から出て来た。

こんなに真剣に、心の底から学生の事を思って授業している
教授を見たのは初めてだった。

そして、彼女の言葉通り、「私のしたいことを突き通し」生きようと思った。