先日、練馬区立美術館で開催されている「アルフレッド・シスレー展」を鑑賞して参りました。
練馬区立美術館開館30周年を記念した展覧会です。
日本国内に所蔵されているシスレーの風景画約20点を中心に展示された展覧会でした。
作品数が少なく、展覧会場も広くはありませんでしたが、中身の濃い素晴らしい展覧会でした。

シスレーの作品だけでなく、日本の画家がシスレーの作品を模写した作品も展示されていて、シスレーによって確立された印象主義の風景画のスタイルが、日本の画家にも影響を与えていたことも感じました。

シスレーは、かなり好きな画家の一人で、この展覧会を楽しみにしておりました。

★印象に残った作品
『サン・マメスのロワン河畔の風景』

『牧草地の牛、ルーヴシエンヌ』

『葦の川辺─夕日』

『レディース・コーヴ、ラングランド湾、ウェールズ』

『ルーヴシエンヌの風景』

『サン=マメスのロワン河』

『サン=マメス6月の朝』
展示されていた全ての作品が素晴らしかったです。
シスレーの作品は、観ていると心が穏やかになりますね。
空のシスレーと言われたように、空の色と描き方がとても好きです♪

嬉しかったのは、ブリヂストン美術館が所蔵している『サン=マメス6月の朝』に会えたことです。大好きな作品なんです♪只今、ブリヂストン美術館が新築工事に伴う休館のため、この作品をしばらく鑑賞できないのが残念だな~と思っていたんです。ここで会えるとは…。

改めて今回思ったことは、シスレーは、晩年まで輪郭をぼかすことなく、風景を描いた画家だったことを感じました。

今、東京都美術館で「モネ展」が開催されていて、こちらの展覧会に、モネの晩年の作品も展示されているわけですが…。
シスレーとも交流のあったモネですが、モネは晩年に白内障を患ったため、晩年の作品の画面が限りなく抽象に近付いているのがわかります。もう輪郭がほぼないような画風なんです。
ルノワールも色彩を追求するあまり、輪郭線がはっきりしなくなっていったわけですが、シスレーは晩年になっても輪郭がはっきりとしていて、あまり画風が変わらなかったんだな~ということを改めて感じました。

練馬区立美術館を訪れたのは初めてでしたが、落ち着いた雰囲気で、ゆったり、のんびりとした幸せな時間を過ごすことができました。