今月の日経「私の履歴書」に、世界的な指揮者・小澤征爾さんの履歴書が連載されました。


お正月を実家で過ごし、帰ってきて手に取った日経に、小澤征爾さんのお写真が載っていた時には、飛び上がって喜びました♪

元旦から1ヶ月、全て大切に読ませて頂きました。「私の履歴書」は、1冊の本として発売されることが多いので、おそらく小澤征爾さんですから、本となって発売されると思いますが・・・。新聞紙面のまま保存した方が価値が高い気がするので(笑)、今月分は永久保存版にしようと思います。

満州に生まれ、生い立ちから始まり、少年時代にラグビーをしていて骨折したことがきっかけで指揮者への道が開けたという驚くようなエピソードが書かれていました。
中学生の時、小澤さんはラグビーをしていたそうなんです。ピアノをやっているんだから指は大切にしないと・・・とお母さんから言われていたのに、隠れてラグビーの練習を行って、試合で両手の人差し指を骨折してしまったそうなんです!(><)これで、もう音楽は無理・・・となった時、先生から指揮者という道があるよ・・・と言われて、指揮者を志すようになったんだそうですよ♪どんなことが人生の転機になるのか?わからないものですよね。

斎藤秀雄先生とのエピソードや厳しい指導について、単身で渡仏し、パリ滞在中に第9回ブザンソン国際指揮者コンクールで優勝し、1960年にアメリカボストン郊外で開催されたバークシャー音楽祭でクーセヴィツキー賞を受賞したこと・・・。

カラヤンやバーンスタインとのエピソードも書かれていました♪当時の小澤さんとバーンスタインのツーショット写真も掲載されました♪とっても貴重な写真だと思います。

N響と決裂したことについても・・・N響に対する不満は一文もなく、「僕には全然経験が足りなかった」という言葉が書かれていました。
ただ、練習もうまくいかないほど険悪な雰囲気になり、定期演奏会が中止となってしまった時、会場となった東京文化会館で、舞台にも客席にも人がいなかったのを目の当たりにし、小澤さんはひどく傷つき、精神的に参ってしまったそうです。(涙)

この日の履歴書は、こういうことがありながら、小澤さんを応援する方々によって「小澤征爾の音楽を聴く会」を開催することができたことが書かれていました。「苦境を支えてくれたこの人たちのことを僕は一生忘れない」と書かれていました。(井上靖さんをはじめ、錚々たる著名人の方々のお名前が記され、感謝の気持ちが伝わってくる文章でした。)
N響への想いではなく、お世話になった方への感謝の気持ちを綴るという・・・この日の履歴書は、小澤さんの素晴らしいお人柄を特に感じた文章でした。

N響とのトラブル後、小澤さんは渡米します。その時は、もう二度と日本には帰らない・・・という想いだったそうです。
1964年からトロント交響楽団の指揮者に就任し、1970年にはサンフランシスコ交響楽団の音楽監督に就任し、その頃、ボストン交響楽団からも音楽監督を務めて欲しいとお話しがあったそうですが・・・最初は断っていたそうです。ボストン響の理事長から改めて依頼がきたことで、両方の指揮者を務めることにしたんだとか!そして、その後、1973年に、ボストン交響楽団に就任されたそうです。

2002年にボストン交響楽団を離れるまで、就任から29年!この29年というのは、アメリカのオーケストラの音楽監督として、最も長い在籍期間なんだそうです。
ボストンに居らした時には、休みの度に球場へ足を運んでいたというエピソードも書かれていました。小澤さんは、レッドソックスの大ファンなんですよね♪最近、テレビでまさにレッドソックスを履いて、上原浩治選手を絶賛するコメントが流れているのを見たばかりです。(わざわざ赤い靴下を見せていたんですよ♪(笑)お茶目すぎる小澤さんでした♪)

サイトウ・キネンについても書かれていました。
「音楽家にとって一番大切なことを生涯かけて教えてくれた斎藤秀雄先生。斎藤先生がまいた西洋音楽の種を育て、日本に根付かせる。僕の生涯が始まった。」という言葉が書かれていました。

そして、今日(31日)、最後の履歴書には、こんなことが書かれていました。
「最後にいつも支えてくれる家族に感謝を伝えたい。外で勝手に音楽ばかりしているおやじだったのに、大病したら家族全員でタッグを組んで助けてくれた。娘の征良がチーフで、妻のヴィラと息子の征悦が全力で協力してくれた。すごい。感謝あるのみだ。読者の皆さんにもお礼を言いたい。読んで下さってどうもありがとう。」という言葉で締められていました。

最後の最後まで、感謝に溢れる気持ちがいっぱい綴られており、小澤さんの素敵なお人柄を感じることのできる履歴書でした。

昨年、サイトウ・キネンで、偶然にも会場でお見かけすることができ、そのオーラ、温かなお人柄を感じさせる立ち振る舞いに感動しました。
今年もサイトウ・キネンに行きたいと思っています。

世界の小澤!と言われるくらい偉大な方なのに、謙虚なお人柄で、お仕事に対しては努力とチャレンジを続けてこられた小澤さん♪1ヶ月に渡る履歴書を読ませて頂き、たくさんのことを教えて頂きました。私からも小澤さんに感謝の気持ちを伝えたい♪どうもありがとうございました。