今日、8月6日は原爆投下から67年となる「原爆の日」でした。
ニュースで、平和記念式典の様子が流れていました。
日本は世界で唯一、戦争によって被爆を体験した国。
そして、あの忌まわしい福島第一原発の事故で、多くの人が不自由な生活を余儀なくされて、帰りたくても帰れない故郷を胸に毎日を過ごしているという実態があります。
核と人類は共存できない・・・世界で一番理解しているはずの国で、どうしてこんなことが起きてしまったのか?
東日本大震災と、67年前の原爆投下の日の悲しい歴史が重なって思えました。
以下は、東京電力福島第1原発事故後、福島から広島に避難した小学6年生の三浦友菜さんが、戦争と放射能汚染のない世界を願って書いた作文です。毎日新聞のネットニュースに、この作文が掲載されていました。泣きました・・・。
記事には、広島・平和記念式典で読み上げられ、全世界に発信されると書かれていました。今日、読み上げられたのだと思います。
★三浦友菜さんの作文「幸せな世界」
私には、家族がいます。私の事を支えてくれる家族がいます。私の友達にも家族がいます。三人の家族もいれば、五人の家族もいます。私の家族は五人います。でも今、広島にいるのは、四人だけです。お母さん、お姉ちゃん、妹と私はお母さんのふるさとの広島でくらしていますが、お父さんは今までみんなでくらしていた福島県いわき市にいます。なぜ、はなれてくらしているかというと、2011年3月11日の東日本大震災が起きてしまったからです。
3月11日、地震がきました。とっても大きな地震で、建物がくずれたり、津波が来たりして、たくさんの死者が出ました。地震や津波だけなら福島にいられたのですが、その数日後、福島第1原発が爆発して大変な事になりました。
「放射能をあびると体に悪いえいきょうがあるから福島にはいられない」。とお父さんは言いました。そして、私の家族は広島に住むことになりました。しかし、お父さんは会社の仕事をしなくてはならないので、広島に住むことができません。一人残って文ぼう具店の仕事を一しょうけん命しています。時々、私たちに会うために広島に来てくれますが、数日するとまた福島にもどります。お母さんも私たちの世話をしながら1ケ月に一度、家のことをしたり、福島の人に安全な野菜をとどける仕事をしたりしています。
私はあの大震災が起きるまで家族はいつもいっしょにいるのがあたりまえの事だと思っていました。でも今はお父さんと、はなれてくらしていて、少しさみしい時があります。いわきの友達にも会ってみたいし、いっしょに遊びたいなと思う事もあります。
世界には、戦争などで家族を失っている人がたくさんいて、一人ぼっちになってしまった子もいると思います。私は家族とははなれてくらしていますが、家族を失ってはいません。家族がいない人は私よりさみしい思いをしていると思うのです。
去年の平和学習で平和記念資料館に行きました。そこにはひふがはがれている人のもけいや写真、ぼろぼろになったふくやおべんとう箱の実物などがあって、それを見た時、原爆ってほんとうにおそろしいな、目に見えない放射能ってすごい力をもっているんだなと思いました。そして、広島と福島とはなれてくらすことを決めた、お父さん、お母さんの気持ちがあらためて分かりました。
私は、戦争をすると、する分だけ、世界から幸せが消えると思います。でも、戦争をしていなくても放射能のことを心配してくらさなければならない今の日本も決して平和とは言えないと思います。
今、福島には、自分の家でくらしたくてもくらせない人がたくさんいるし、反対に福島第1原発からはなれたくても仕事でそこに入らなければならない人もいます。
私は、世界から戦争が消えて、放射能の心配も消えて、いろいろな国と仲良くできたら良いと思います。早く世界のみんなも幸せになってほしいと願っています。そして、私も一日でも早く、福島で家族5人が安心して、楽しくくらせるあたり前の日が来てほしいと思っています。
日本の未来を担っていく小学生の切なる願い・・・。福島に故郷がありながら帰りたくても帰れないでいる多くの人達の想いを代弁しているように思いました。
福島第一原発の事故から得た教訓と、被爆者の声に耳を傾け、放射線物質が及ぼす被害の実態を重く受け止め、政府は安心できるエネルギー対策を行っていって欲しいと思います。慎重すぎるくらいの選択でいいと思います。答えは一つしかないし、進むべき道である選択は一つしかないと思いますが・・・。
これから何百年後も・・・ずっと先にある未来を見据えて、真剣に考えて欲しい・・・。
世界で唯一の被爆国として、この悲惨な記憶を風化させずに次の世代に伝承していかなければ・・・。
悲しい歴史があったこと、そして、今も苦しんでいる多くの人の想いを決して忘れてはならない・・・と改めて思いました。
私も、核兵器のない平和な世界を願っています。