NHK大河ドラマ50周年特別展『平清盛展』を鑑賞した感想です。
毎年、楽しみにしている大河ドラマ!今年の大河は、武家として初めて太政大臣となり、位人臣を極め・・・武士による世の中を初めて作り上げた、平清盛の生涯が描かれています。今夜も、もちろん見ました♪
そんな大河ドラマの予習を、この展覧会でしてきました。曖昧になっていた歴史を勉強しなおしてきました♪
平清盛は白河法皇の落胤とも言われ、母は祇園女御またはその妹という説があり、平氏の棟梁として育てられました。
12歳で貴族となり、スピード昇進を果たします。21歳で最初の妻(のち死刑)との間に重盛が生まれます。39歳で★保元の乱、42歳で☆平治の乱を伊勢兵氏の棟梁として勝利し、武士の実力を見せつけ、源氏の勢力を都から排除して軍事・権力を独占します。
その後は、後白河院など諸勢力と協調し、政治と経済力を高め、43歳の時に武士として初めて公卿となります。その後も権勢をふるい、50歳で最高位の太政大臣に登りつめます。病により、51歳で出家し、最高実力者として福原(神戸)に拠点を構えて、栄との貿易を推進し、京の六波羅は、重盛らに任せて政権の運営にあたらせました。また、娘を入内させ、61歳でのちの安徳天皇が生まれます。
後白河院との対立が強まると、院を幽閉し、福原に遷都するなど、本格的な武家政権として新たな国づくりに挑戦することになりますが、反乱が相次ぐなか、64歳で亡くなりました。
★保元の乱
鳥羽上皇の死去がきっかけになって起きた乱。後継をめぐって、崇徳天皇と後白河天皇が対立しました。後白河天皇側についたのが、平清盛と源義朝で勝利をおさめました。
☆平治の乱
平氏と源氏が政権をめぐって起きた乱。保元の乱で協力しあった平清盛と源義朝が対決することになります。結果、平氏が政権を握ることになります。
保元の乱から、朝廷・貴族だけでは力を抑えきれず、武士の力を必要とするようになり、平治の乱で武士の実力を見せつけたということだと思います。平治の乱で源義朝は亡くなり、息子の頼朝が伊豆に流され、義経は鞍馬山にあずけられます。清盛に命を救われて伊豆に流された頼朝が、清盛の死後に国の頂点に立つことになります。
清盛の死後、重盛も失った平氏には、平氏一門をとりまとめるだけの求心力を持った棟梁がいなくなり、清盛の後を継いだ平宗盛は、源頼朝、木曾義仲、源範頼、源義経など強力で優秀な武将が揃った源氏に太刀打ちできなくなります。
源義経と源範頼が率いる源氏方の軍勢に、一の谷の戦い、屋島の戦いで連戦連敗を重ね、遂に、壇ノ浦の戦いに敗れて、平氏は滅亡することになります。
平氏政権が倒され、初代将軍・源頼朝を棟梁とする本格的な武家政権である鎌倉幕府が成立します。
・・・と、簡単ですが私流に歴史をまとめてみました。細かい部分は、今後の大河を見て勉強していこうと思っています。
肝心の展覧会の感想!
展覧会は、5つの章に分かれて展示されていました。
第1章 平氏隆盛の足跡
第2章 清盛をめぐる人々
第3章 平氏の守り神 厳島神社
第4章 平氏の時代と新たな文化
第5章 平家物語の世界
清盛といったら、海に浮かぶ華麗な厳島神社を造営した人・・・。
特に、素晴らしかったのが、清盛が一族の繁栄を願って厳島神社に奉納した「平家納経」でした。この経巻は、国宝で、厳島神社から特別に出展されたものでした。
厳島大明神を信仰したお蔭で、平氏一門は繁栄し、その感謝と平世への極楽住生を祈って、平氏一族郎党32人が経巻各1巻ずつ分担して書写し、荘厳して清盛自ら参詣し、奉納したものだそうです。
厳島大明神の本地仏である観音菩薩33応身にちなみ、経典32巻と願文を加えて1具としたもので、各巻とも最高水準の工芸技術を集め、善美を尽くしているものだそうです。
私は、展覧会に行くのが好きなので、今までにも経巻をいくつか見てきていますけど、ここまで美しい経巻は見たことがありませんでした。金銀の箔や砂子を使った豪華絢爛たるもので、光輝いて見えました。保管状態もかなり良かったです。
一門の栄達を願う清盛の願いが、隅々にまで込められているように思いました。
その他、清盛と同じ時代に生きた、今様(流行歌)好きだった後白河院や、清盛と同じく北面の武士でありながら出家して漂泊の人生をおくった西行法師に関する肖像画や書跡も展示されていました。(西行の和歌の家集「山家集」もありました。)
最後の第5章は、清盛の死後、平家物語の世界が紹介されていました。
江戸時代に描かれた、有名な那須与一の射扇図も展示されていました。
源平屋島合戦で、海に浮かぶ舟の上で平氏の女性が掲げる赤い扇子を、弓の名手・那須与一が射落とした場面が描かれていました。
展覧会の最後に、「平家物語」の冒頭で有名な言葉が壁いっぱいに書かれていました。展覧会で、平氏の歴史の流れを観た後だったので、この言葉で胸が締めつけられる想いがしました。
祇園精舎の鐘の声
諸行無常の響あり
沙羅双樹の花の色
盛者必衰のことはりをあらはす
おごれる人も久しからず
ただ春の夜の夢のごとし
「平家物語」によって、悪のイメージが強い清盛ですが、展覧会を観てイメージがかなり変わりました。
大河の主役・清盛役の松山ケンイチさんは、『デスノート』シリーズでしか知らなかったのですが、松山さんの演じる清盛は野性的で豪快!そんな中に、秘めたしなやかさもあって、今後の清盛の生き方からどう変化していくのか?とても楽しみです。
それから、鳥羽上皇(法皇)を演じている三上博史さんの演技が凄い!何かに憑依されているように怪しい雰囲気・・・心情の変化が手に取るようにわかります。全身から哀しみに溢れているシーンがあって、こちらまで苦しくなったことがありました。
今年の大河ドラマも楽しみです♪併せて、歴史のお勉強もします♪
※東京での開催は終了していますが、今後、下記の日程で特別展が開催されます。
☆神戸市立博物館 2月25日から4月8日まで
☆広島県立美術館 4月21日から6月3日まで
☆京都府京都文化博物館 6月16日から7月17日まで
★特別展『平清盛展』のサイト