先日、世界的なバレエダンサー・首藤康之さんの姿を追ったドキュメンタリー映画『今日と明日の間で』を観てきました。(東京での上映は終わっています。)

Going my way ~どこまでも続く道~-今日と明日の間で・・・


※以下、映画の内容に触れています。内容をご覧になりたくない方は、パスしてくださいね。


インタビュー映像から、ダンスと美術のコラボレーション『時の庭』、『空白に落ちた男』、『アポクリフ』といった舞台映像も流れていました。この本番の映像に加え、舞台に関わった中村恩恵氏、小野寺修二氏、シディ・ラルビ・シェルカウイ氏、それぞれの振付や演出をされた方達のインタビュー映像も流れていました。

首藤さんの出身地・大分県を訪れて、首藤さんが初めて舞台に立ったという懐かしい地元の劇場で、幼い頃のことから、バレエやミュージカルについてもお話されていました。

首藤さんが24歳の頃・・・生前のモーリス・ベジャールとの貴重なリハーサル風景も映っていました。(ちょうど先週、日経新聞にベジャールの記事が掲載されて読んだばかり・・・。懐かしい映像でした。)


★インタビュー映像で印象に残った言葉

舞台の上で激しく踊る時とは違い、穏やかな口調で静かに語る首藤さん・・・。自分からは多くを語らないと言われている首藤さんの貴重なインタビュー映像が流れていました。

舞台に立つ時は、オープンになることが大切で、舞台に居る側と客席のお客さんとのコミュニケーションを大事にしているそうです。

昔は、バレエの世界の寿命は短いと思っていたそうですが、年を重ねるごとに、長くバレエを続けていきたい・・・と思うようになってきているそうです。一度、舞台に立った時の感動を味わってしまうと、なかなかそこからは抜け出せないとも・・・。

公演がある時は、誰よりも早く楽屋入りをし、アップに時間をかけるそうです。
小野寺修二氏から、まるでマシーンのように完璧な人!と言われていました。首藤さんは、形が出来るまでに、とても時間がかかる方なんだそうですが、その形が出来てからが凄くて、絶対にブレない方なんだそうで、ここまでブレない人は珍しい・・・と小野寺氏が仰っていました。

東京バレエ団で長年の同僚だった、バレリーナの斎藤友佳理さんの言葉も印象に残りました。
首藤さんは、不器用な人・・・。(これは、首藤さんご自身も仰っていました。)
真っ直ぐな人!例えば、半年先に公演があると、そのことだけしか目に入らなくなってしまう人。
それが、30回公演、50回公演・・・たった1回だけの公演であっても、回数に関係なく、その公演の事だけしか考えられなくなってしまうそうです。
彼を理解するのは、物凄く大変だと思う・・・と、斎藤さんが仰っていました。

なかなか見ることが出来ない、貴重な映像を観ることが出来ました。大画面の中で踊る首藤さんを観ることが出来て、舞台とは違う感動がありました♪