昨夜、『NHKスペシャル』で、食物アレルギー、花粉症、アトピー性皮膚炎まで、世界で研究が進む「アレルギー治療の最前線」が放送されました。
これまではアレルギーの原因となる食物を避ける方法がとられていましたが、今、注目されているのは「免疫療法」といって、あえてその食物を食べるという驚きの方法が成果をあげているそうです。
★『食物アレルギー』の最新治療
番組で紹介されていたのは、神奈川県立こども医療センター(アレルギー科 栗原和幸医師)でした。
生まれた時から卵アレルギーで苦しんでいた、7歳の男の子(Y君)の治療(「免疫療法」)に密着していました。
Y君の限界量は、10mg。それ以上だと、アレルギー反応が表れてしまいます。
そこで、10mgの10分の1の量の生卵白乾燥粉末を摂取する治療が開始されました。
反応が見られる10mgに達していなければ、ige抗体とマスト細胞が異物とはみなさないそうです。
次第に量を増やしていくと耐性がつき、反応が出る10mgの量を超えても、症状がみられなくなるそうです。驚きの方法でした!
治療20日目。Y君は、卵1個分のスクランブルエッグを食べられるようになり、アレルギー反応の症状も表れていませんでした。Y君がこの症状を維持するには、退院後も卵を食べ続けていかなければいけないそうです。
60人に実施し、成功率は98パーセントの成果をあげている方法なのだそうです。
注意:食物アレルギーは、呼吸困難等の症状が出る場合もあり、勝手に行うと危険なため、必ず専門医に相談して下さい!という注意書きがされていました。
★『花粉症』の最新治療
国民の5人に1人が花粉症に悩んでいるというフランスでは、花粉症の治療が進んでいるそうです。
行われているのは、「舌下免疫療法」。(花粉から得たエキスを、スポイトを使い、直接舌にたらすという治療です。)
フランスでは、メーカーに頼めば、オーダーメイドで、その人にあったオリジナルの薬を造ってもらえるそうです。
日本でも、「舌下免疫療法」という治療が行われているそうです。(日本医科大学付属病院 耳鼻咽喉科 大久保公裕医師)
「舌下免疫療法」は、1日1回、エキスを舌にたらし、それを2年間続ける治療法です。
花粉症の治療で知られるレーザー治療や内服薬治療は、一時的にしか効果が得られませんが、この舌下免疫療法は、体の耐性を獲得する治療法で、完全に治すことが期待されているそうです。痛みもない、体質から回復することの出来る方法なのだそうです。副作用も、ほとんど見られないという画期的な方法と紹介されていました。
142人に実施し、8割の方が改善しているそうです。
★『アトピー性皮膚炎』の最新治療
イギリスのダンディー大学のアーウィン・マックリーン教授が、2千人のDNAを対象として調査した結果、アトピー性皮膚炎の患者さんと正常な肌の人を比べると、アトピー性皮膚炎の患者さんには、皮膚のタンパク質をつくる遺伝子に異常があることが発見されたそうです。
それが、「フィラグリン」です。アトピー性皮膚炎の患者さんは、フィラグリンが欠乏していることで、スキンバリアが奪われ、それにより、抗原が侵入し、アレルギー反応を引き起こしてしまうそうです。
番組で紹介されていた病院は、慈恵会医科大学病院でした。(慶應義塾大学で、研究が進められていることも紹介されていました。)
使用されていた薬は、「ステロイド」でした。ステロイドは、副作用が強いと思われがちですが、使用方法をきちんと守れば効果があるそうです。(飲み薬に比べ、塗り薬の副作用は弱い・・・と番組内では紹介されていました。)
実際、番組内で紹介されていた女性は、ステロイドを使った治療により、たった9日間で、綺麗な肌になっていました。
私は、食物アレルギー、花粉症、アトピー性皮膚炎・・・等の症状は無いのですが、金属アレルギーに悩まされています。でも、私の場合は、冬場や今のような乾燥した季節は、普通にネックレスも付けられますし・・・。花粉症、アトピー性皮膚炎の方に比べれば、まだまだ良い方だと思います。私の周りでも、多くの方がアレルギー反応で苦しんでいるので、少しでもお役に立てば・・・と思い、番組内容をまとめてみました。
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