放射能が降っています。静かな 静かな 夜です。


福島の詩人で、詩で震災を記録しようとしている和合亮一さん。私が和合さんを知ったのが、この詩でした。静かで美しい詩なのに、凄く悲しい・・・放射能の恐怖がじわじわと伝わってくる詩。


昨日の『クローズアップ現代』で、和合さんの特集番組が放送されていました。和合さんは、最近、現場を歩き、被災した人の声を集めているそうです。


そして、震災の傷跡、放射能の恐怖といったものを言葉にする・・・。和合さんは、心の中を言葉にすることで向き合おうとしていました。


和合さんが詩を書くときの必需品は、カメラなんだそうです。

カメラを持って被災地を歩きながら、そこで暮らしている人の笑い声、暮らしの中の言葉が聞こえてきた時、シャッターを押すそうです。その時の気持ちを言葉に紡いできたのだそうです。


一番衝撃的だったのは・・・。原発20キロ圏内立ち入り禁止の電光掲示板が写った1枚の写真。


故郷に1歩でもふみ出せば

処罰とは どういうことなのか

説明せよ 時よ 罪よ


・・・という詩が紹介されていました。


地震が起こる前と変わらない故郷の景色がありながら、帰りたくても帰れない人たちがいる・・・。そこに、いつもの暮らしがあって、大切な物がたくさんありながら・・・。故郷を胸に、そこから離れざる終えなかった人たちがいる・・・。多くの人たちの哀しみの声が聞こえてくるような詩・・・。

和合さんの詩は、ずしりと重く心に響きました。


私たちは、日本の地図に空白の部分が出来たことを感じながら生きていかなければならない・・・と和合さんがおっしゃっていました。


私の心のどこかにもメモしておかなければ・・・と思った言葉でした。