「100分 de 名著」 ドラッカー『マネジメント』 第3回 の続きです。


6月22日の第4回目の最後の放送は「日本よ!」と題し、ドラッカーが亡くなる4年前に出版した、マネジメントエッセンシャル版に書かれた、ドラッカーが日本の読者に投げかけたメッセージとはいったい何だったのか?ということをテーマに放送していました。


指南役の上田惇生さんと、さらに、もしドラ「もしも高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」の原作者・岩崎夏海さんが特別ゲストとして出演し、上田さん、岩崎さんのお二人が『マネジメント』について語り、日本への提言を読み解いていく・・・という豪華な内容でした。

内容は、イノベーション論と、リーダー論、「もしドラ」ブームが日本の未来にもたらす影響についてでした。


☆まずは、イノベーションについて・・・。

世界中の先進社会が転換期にある中で、日本ほど大きな転換を迫られている国はない・・・。日本が50年、60年代に発展させたシステムは他のいかなる国より大きな成果を上げた。しかし、今日、そのシステムが危機に瀕している。決定的な検討のもとに再設計しなければならない・・・この行き詰まりを打破するために、ドラッカーが必要と考えていたのが、新たなシステム戦力、つまりイノベーションでした。


★今の日本に必要なイノベーションとは・・・。

「イノベーションの戦略の一歩は、古いもの、死につつあるもの、陳腐化したものを計画的かつ体系的に捨てることである。」(上田さんが、進みたいからこそ、余計なものは捨てていかないと・・・とおっしゃっていました。)


「変化ではなく沈滞について抵抗する組織をつくることこそ、マネジメントにとって最大の課題である。だが、いかにしてこの種の組織を、社会、経済、個人にとって、生産的な存在とするかは、これからの課題である。あらゆる兆しからみて、来るべき時代はイノベーションの時代だからである。」


今、日本は震災によって、がらっと環境が変わったのだから、変わらないとならない。継続するためには、変革しなかればならない・・・今こそイノベーションしなければ!というお話をされていました。


☆次に、リーダー論について・・・。


★未来の日本のリーダーに必要な資質とは・・・。

「人を管理する能力、議長役や面接の能力を学ぶことはできる。管理体制、昇進制度、報酬制度を通じて、人材開発に有効な方策を講ずることもできる。だが、それだけでは十分ではない。根本的な資質が必要である。真摯さである。」

誰が正しいかを考え、何が正しいかを考えないのは真摯ではない。真摯さとは、信念を貫くこと!


☆最後に、「もしドラ」ブームは、日本の未来に何をもたらすのか?


岩崎さんは・・・。

これまでは、もし2000人の社員がいる会社があったとしたら、今までだったら社長1人が『マネジメント』を読んでいれば良かった。これからは、社員2000人、それぞれ1人1人が『マネジメント』を読んでいかないといけない時代。そういう時代がきている。


上田さんは・・・。

一つの社会革命だと思っている。

ドラッカーは、“未来学者”といわれることがありますが未来学者ではない。すでに起こったものの帰結をみているだけ・・・。

「もしドラ」ブームは、既に起こった未来。この結果は、必ずである。世の中にいいものをつくって、それをつくる過程があって、みんな生き生きして働く。理想社会というものを描けるようになった。描けるようになったということは意識を変えた。意識を変えたということは、未来なんです!

将来、そういう未来を期待できるという上田さんの前向きな言葉で番組が終わっていました。


4回の放送をとおし、とても為になる番組内容でした。まだ、『マネジメント』全て読み終えていませんが・・・。(笑)この番組で、続きを読むための予習ができて良かったと思います。