影絵作家・藤城清治さんの展覧会『幸せをよぶ夢いっぱいの展覧会』を鑑賞した感想です♪20年ぶりに東京・目黒の自宅スタジオを開放して展覧会が開催されました。鑑賞してから時間が経ってしまいましたが、とても良い展覧会だったので、感想をアップしてみました♪
以前から藤城清治さんのご自宅が目黒にあることは知っていて、このブログにも、目黒のご自宅でどんな制作活動をされているのか?を書いたことがありました。(その時の私のブログは、こちら です。)まさか、自宅スタジオで藤城さんの原画を観ることができるなんて!夢にも思っていませんでした。
そして、この展覧会のもう一つの目的は・・・。爆笑問題の太田光さんの初小説『マボロシの鳥』を絵本化した時に制作した40枚の影絵の原画が初披露されていて、それも鑑賞することができました。
太田さんは、以前から藤城さんの大ファンだったようです。どうしても藤城さんに・・・という太田さんの願いが叶ったようです。
※お写真を撮ることが許されていたので、作品の写真を撮らせて頂きました♪
1階には、『暮らしの手帖』に連載されていたモノクロの影絵がたくさん展示されていました。時代の流れから、影絵はカラーになっていったことが書かれていました。
鏡と水を効果的に使った作品が印象に残りました。
そして、2階へ・・・。そこには、絵本『マボロシの鳥』の世界が待っていました。
太田さんの小説『マボロシの鳥』はベストセラーにもなっているので、ストーリーをご存知の方も多いと思いますが・・・。
※注意:以下、『マボロシの鳥』のストーリーに触れています。ストーリーを知りたくない方はパスしてください。
『マボロシの鳥』は・・・。
チカブーという魔人で舞台芸人が主人公。チカブーは、世にも珍しい美しい鳥を取り出す芸で大人気・・・。チカブーの芸「マボロシの鳥」を観るため、町はずれの劇場・オリオン座には溢れるほどの観衆が・・・。
しかし、芸の命でもある鳥に逃げられてしまいます。
それから20年・・・。
すっかり落ちぶれたチカブーの前に、彼のファンだったという男が現れ、もう一度、舞台に立つべきだ!と言われます。
その言葉を聞いたチカブーは・・・。
お客を楽しませたいなんていうのは、後からつけた理屈だよ!客を幸福にするためじゃない!自分が幸福になるために舞台に上がるんだ!と語ります。
それから、また10年・・・。
チカブーは、道端で売られていた絵の中に描かれた、あのマボロシの鳥と出会います。
再び出会い、チカブーの心は大きく揺れます。
いまさら舞台には立てないが・・・。
いや、舞台って、なんの舞台だ!ここでチカブーは気がつきます。
こうして俺が立っている場所が、俺の舞台じゃないなら、どこに舞台がある。
まだ、これからだ・・・。
「この世界は、きっとどこかとつながっている」という壮大なテーマが描かれています。
場所も時代も登場人物もテーマも、幻のような存在でありながら、どこか今のこの世界とつながっている・・・。
小説や絵本の世界というだけなく、私の人生に置き換えても、もう逢えなくなっているような人や動物であっても、過去から現在、これから未来へと関係は繋がっているのかも?もうこの世に存在していない人や、まだ会った事のない人とも、どこかで繋がっているような・・・そんな奥の深い作品のように感じます。
世界中の人たちと、きっとどこかで繋がっている・・・って壮大なテーマだと思います。今の日本にも関係していると思います。
人生そのものが舞台!人は、それぞれの人生という舞台に立って歩き続けているのかも?というような感想も持ちました。
太田さんの言葉で、藤城さんが影絵で描いてくれたことで、本当の意味で『マボロシの鳥』は完成した・・・ということが書かれていて感銘を受けました。
藤城さんが描いた優しい画風と太田が描いた世界観が、どこか懐かしい世界に連れて行ってくれるような絵本です。
藤城清治さんと太田光さんの奇跡のコラボレーション♪だと思います。私の好きな影絵作家とお笑い芸人のまさかのコラボでした。私は、色んな世界に興味や関心を持っていて、画家や俳優さん・・・好きな方が多いんですけど・・・。不思議なことに、いろんな形でコラボや共演してくれることが多くて・・・。これも、どこかで繋がっているということかな♪
藤城清冶さん、現在87歳ですが、作品を制作し続けていらっしゃるって、本当にすごい方だと思います。影絵作家として、世界的に有名でありながら、謙虚で優しいお人柄というのもファンの間では知られています。私が鑑賞しに行った日には先生はいらっしゃいませんでしたが、またお会いできる機会がありますように♪








