今夜の『報道ステーション』で、2004年5月27日、イラクで取材中に武装グループの襲撃を受け、戦場カメラマン・橋田信介さんと橋田さんに同行していた甥の小川功太郎さんが亡くなった事件について放送されていました。橋田さんの奥様、橋田幸子さんが事件から7年経ったイラクに行き、事件現場を訪れている様子が流れていました。
橋田さんの奥様・幸子さんは、橋田さんが生前取材を行っていた、アメリカの空爆で左目を負傷した少年を日本に呼び寄せ手術を受けさせようとしていた遺志を継ぎ、その少年を日本に呼び寄せ、手術を受けさせたそうです。今回の取材で7年ぶりに、その少年と会うことができましたが、残念ながら、その少年の左目は失明してしまっていました。(イラクでは、適切な治療を続けて受けることが出来なかったようです。)
幸子さんは、この少年をきっかけに基金を立ち上げ、イラクの病院に保育器を寄付するなど、支援活動を行ってきているそうです。
最後に、夫婦で交わしたある約束・・・どちらかが倒れた時には、必ず現場に駆けつけるという約束を果たすために、息子さんと2人で橋田さんが亡くなった事件現場を訪れていました。(本当は、飛んで行きたかったんでしょうけど、とても現場に行けるような治安ではなかったでしょうし・・・。7年もかかってしまったことを思うと、とても辛くなりました。)
イラク戦争が終わってから8年も経つのに、イラクの街中には、至るところに戦争の影が色濃く残っていました。
今夜の『報道ステーション』には、鳥越俊太郎さんがコメンテーターとして出演されていました。
イラク戦争は、全く無駄な戦争だったということ・・・ブッシュ元大統領から謝罪の言葉がないことなど・・・遺憾に思うということをおっしゃっていました。(鳥越さんは、的確に、そしてはっきりとご自身の意見を述べる方なので、私はすごく好感をもっています。)
今年も『世界報道写真展』が近づき、都写美の公式サイトで日程を確認したばかりだったんです。『世界報道写真展』は、世界中の報道カメラマンの方たちを対象に実施する報道写真展です。戦場カメラマンの方が、命を賭けて撮った写真も展示されることがあります。
昨年、この写真展に行った時にも、イラク戦争で脳の40%を失った、元アメリカ兵士の息子を手助けする母親の写真がありました。衝撃的で、忘れられない写真です。
この方のように、目に見える傷だけでなく、イラク戦争では、目に見えないPTSDのような心に傷を負った兵士も数多くいて、アメリカに戻った今も、ずっと苦しみ続けている人たちがいるということも、このブログに書いたことがあります。
そして、イラクの一般市民も巻き込み・・・。
私も、イラク戦争は、たくさんの犠牲者を出した無意味な戦争だったと思います。
今日の『報道ステーション』を見て、この戦争が終わっても、まだまだ悲しみの連鎖に苦しめられる人たちが数多くいることを改めて思い、遺憾な気持ちになりました。