昨日のNHKスペシャルで、とても興味深い番組が放送されていました。

『認知症を治せ!』というタイトルで、認知症は治らない!認知症は防げない!という常識が変わってきているという内容でした。


まず認知症は治せるようになってきているということから・・・。

認知症には、正常圧水頭症、前頭側頭葉変性症、レビー小体型認知症・・・色んなタイプがあるそうです。

認知症と診断され、しかたがない・・・と諦めている方も多いと思いますが・・・。

認知症のタイプが適切に診断され、適切な治療を受ければ、症状が改善されたり、現状を維持することも可能になるそうです。(実際、昨日の放送に出てきた患者さん達は、症状が劇的に改善されていました。)

正しく診断が出来るのは、認知症の専門外来なのだそうです!


どこで治療を受けたら良いのか?分からない方のために、番組内で下記サイトが紹介されていました。(このサイト内で認知症の専門外来が紹介されています。)


日本老年精神医学会 http://www.rounen.org/  

日本認知症学会 http://dementia.umin.jp/


そして、診察の時に、日常生活をどう過ごしているのか?どんな変化がみられたのか?というように、日常生活の変化について、正しく医師に伝えることがとても大切なのだそうです。


ちなみに、タイプ別の症状として、こんなことが説明されていました。

☆正常圧水頭症 歩行障害が見られる。尿失禁。

☆レビー小体型認知症 幻視。運動障害。

☆前頭側頭葉変性症 同じ行動や動作を繰り返す。(自己制御ができない。)


そして、認知症の中で、最も患者が多いアルツハイマー症!(脳が急速に萎縮することで、記憶力や判断力が徐々に失われてしまう病気。)

日本では、アリセプトという薬が治療薬として使われて、アルツハイマー型認知症における症状の進行を抑制する働きを持った薬として知られていますが・・・。


番組の中で、レンバーという薬が紹介されていました。この薬は、アバディーン大学で開発中の薬なのだそうです。


アルツハイマーは、アミロイドβが、神経細胞のまわりに集まるようになり、次にタウが神経細胞の中に集まるようになるそうです。そして、タウによって神経細胞が死滅させられてしまうそうです。

レンバーは、集まったタウを神経細胞の中で、分解できる薬なのだそうですよ♪

20年前に発見されたそうですが、まだ臨床実験の最中なのだそうです。(イギリスで臨床実験が行われているそうです。)

そのレンバーの臨床実験が最終段階にきていて、次の臨床実験に合格すれば、製品化されるところまできているそうです。

レンバー以外にも、世界中で、アルツハイマーの症状の進行を止める薬の開発が行われているそうですが、なかなか臨床実験で認められず、製品化は難しいのだそうです。


そして、もう一つの問題、認知症は防ぐことができない!と思われてきた常識も、そうではなくなってきているそうです。

アミロイドβが、神経細胞のまわりにどうして集まるのか?その研究が、ハーバード大学で行われているそうです。

その結果、脳がよく活躍する部分にアミロイドβが集まり、アルツハイマーを引き起こしてしまうことがわかってきたそうです。

それはアルツハイマーが発症する20年も前から始まっているのだそうです。例えば60代で発症してしまう人は、40~50代から実は発症が始まっているということ!


認知症は生活習慣病とも関連が深いそうです。特に、糖尿病や高血圧。

糖尿病患者さんの脳の血管はもろくなり、そのことが原因で神経細胞が死滅し減ることで、アルツハイマーを発症するそうです。脳細胞の破壊によって、認知症にかかりやすいのだそうです。

若い頃から生活習慣を改善することが、アルツハイマー症の予防にもつながるということが紹介されていました。


認知症の症状が改善されれば、本人も楽になり、介護するご家族も楽になりますものね・・・。

この番組を見て、ここ10年の間に、認知症の治療が大きく変わってきていることを知ることができました。非常にためになる番組でした。


※再放送:11月23日(火) 午前9時00分~9時49分 総合 ※近畿ブロックは放送はないそうです。