本日(7月2日(金))の日経新聞(夕刊)の『学びのふるさと』に、NHK大河ドラマ「龍馬伝」の題字を書かれている書家・紫舟さんの言葉が載っていました。


祖母の勧めで6歳から書道を始めた紫舟さん。熱心な先生のお陰で、小学生で段位を取り終え、流派の特待生になったのだそうです。


習字は手本を真似て書くので、常に手本を見ていて目はどんどん成長するのに、腕前は一歩一歩。手本のようにうまく書けないということがコンプレックスになってしまい、大学進学を機に教室は辞めたのだそうです。


その後、初めて情熱を傾けたのが合気道!勝敗を超えたところに大切なものがある、という考えに引かれ、大学入学後に始めたそうです。


そこで出会ったのが西村由孝先生で、思いやりの心や美しく生きることなど、人生で大切なことを学んだそうです。


ある日、風邪で高熱があったのに道場に出掛け、見学していた時、西村先生から、“いつ風邪をひきましたか”と聞かれ、“今日です”と答えた紫舟さんに、こんな言葉で諭されたのだそうです。

「風邪は徐々に具合が悪くなって今のようなひどい状態になるのだから、今日のはずがない。もっと自分の内側に関心をもってあげなさい」


愕然とし、それから内面をより強く意識するようになった紫舟さん・・・。


やりたいことが見つからないまま、大学卒業後は就職。本当の居場所を求め、西村先生の言葉通り、徹底的に内面を見つめ直そうと思い・・・本当に歩みたい道が「書」だと気づき、今現在に至っているそうです。


最後に、日本を世界に伝えるため、日本語を知らない人にもこの国の文化と伝統が分かるような、思いを表現できる字を書きたいと思っています・・・という文章で締められていました。


車のCMにも出演されているので、みなさん紫舟さんのことはご存知だと思いますが・・・。

紫舟さん、書かれる文字だけでなく、紫舟さんご自身もとってもお綺麗で素敵な方なんですよね!

合気道をされていたとは、知りませんでした。文章を読んで、紫舟さんが表現される文字や紫舟さんご自身から、凛とした一面が見られるのは、武道で鍛えられた精神からかもしれない・・・と思いました。


以前、紫舟さんが、「龍馬伝」の題字に込めた思いをご自身のブログにこんな風に書かれていました。
Going my way ~どこまでも続く道~-龍馬伝

『龍』は龍馬さんや福山さんの背の高い風貌に
   福山さんの繊細なシャープ感を込めました

『馬』はそれこそ時代や天空を駆け地を奔った動き

『伝』では北辰一刀流の免許皆伝でありながら一度も
   人をあやめなかった龍馬の刀の軌道を表現しました


一年間、時代や国を熱く駆け巡ってくれることを祈っています。



紫舟さんの書かれた「龍馬伝」の題字・・・。「龍馬伝」のOP曲の龍=龍馬が、国を駆け巡っているように、文字まで動き出しそうな勢いを感じさせます。


個展も開かれているので、是非、機会があったら行ってみたいと思いました。