昨日の『プロフェッショナル』は、終末期のがんや神経難病、老衰などの重い病などを抱えながらも、退院して人生の最期を家で暮らしたいという人々を支える訪問看護師、通称「市ヶ谷のマザー・テレサ」といわれる、秋山正子さんのお話でした


秋山さんの行くところ、笑顔の輪が拡がる。そこには、看護師と患者の絆がある・・・。看護師と家族、命を支える現場に密着するという番組でした。


自宅での療養は、医師や看護師が24時間常駐する病院とは違い、容態の急変への対応や、家族の介護疲れなど、さまざまな困難が伴うそうです。


秋山さんが心がけているのは、「隣のおばさん」になるということ!

患者さんの容態の変化を知るために、訪問した際にも、家の様子を見たり、患者さんの話題に出来そうなものを見つけて話しかけ、体調の変化を見極めていました。(仏壇の花の状態や、日めくりのカレンダーがめくれているのか?という様子を見たりするそうです。また、昔、その方が歌われていた曲の楽譜などを持ち歩いたりして、常に会話になりそうなことに、気を配っているそうです。)


スタジオでお話しされた時に、家の様子やその人のライフスタイルを知っておくと、役立つことがある・・・という話になって・・・。以前に、訪問看護の際、一人暮らしの患者さんが倒れていたことがあったそうです。そこで、秋山さんが思ったのは、その方は、朝一で洗面台に行くことを知っていて、タオルが濡れていなかった!ということは、前の晩に倒れたということになる・・・。このことから、何時間も食事を取っていないことや、色んなことがわかる・・・とおっしゃっていました。これを聞いた茂木さんが、「訪問看護師は名探偵!」と、おっしゃっていました!(笑)本当に、秋山さんはすごい方だと思いました!


その人の「輝き」を引き出す!

どの方にも輝いていた時期がある・・・。若い頃のことを聞いて、さりげなく昔の記憶を導き出してあげると、その人は、表情が生き生きとし、輝きを増してくるのだそうです。それで、よく眠れるようになったり、食欲が増したりして、輝く時間に繋げることができるそうです。(実際、昨日の放送の中で、うつむき加減だった高齢のおばあちゃんが秋山さんと接したことで、次の訪問看護の時には、歩行器で歩いていました。表情が明るくなって、上を向いていて驚きました。)


今、生きている喜びを味わう!

秋山さんは、患者さんが、住み慣れた自宅で、季節の移り変わりを感じたり、食事がおいしく感じられるような、そんなちょっとした喜びを感じて欲しいそうです。一瞬、穏やかな気持ちになる・・・それが、今、生きている証であり、喜びに繋がり・・・それを積み重ねてあげたい・・・。


秋山さんは、一般病棟の産婦人科で臨床経験を経て、看護教育に携わってこられました。現在、株式会社ケアーズの所長を勤められ、新宿区を中心に訪問看護を行い、NPO法人「白十字在宅ボランティアの会」理事長も務められています。


39歳の時、予期せぬ出来事が起こったそうです。2歳年上のお姉さんが、肝臓がんで余命わずかという診断・・・。

お姉さんは、主婦として、家事をこなすことに誇りをもっていたそうです。そこで、ベットを台所が見える場所に置き、子供たちは、学校から帰ってくると、ベットの周りで遊んだのだそうです。それを見ているお姉さんの表情がとても明るかったそうです。4ヶ月後、満足しながら、息を引き取ったのだそうです。

それから、秋山さんは、訪問看護師としての技術を学び、一年後に、訪問看護師として、終末期のがん患者さんのお世話をするようになったそうです。

最初は、想像以上に難しかったそうです。


突然がんと告知された時の患者さんと家族の混乱・・・。どうしたら良いのか?

力を入れたのは、死への準備・・・。先々、死を受け入れる準備を促したのだそうです。

その時、患者さんの家族から、「準備が整いすぎて、ただ死ぬのを待っているようです」と言われてしまったのだそうです。

この言葉で、最期を迎える人と、どう向き合えば良いのか?また見つめ直すようになったそうです。


ある日の夜中、44歳の鎌倉さんという、がんの末期の患者さんが、大量出血し、厳しい状態に・・・。必死で止血を試みて、翌朝、出血は奇跡的に止まったのだそうです。

次の瞬間、ハッとなったそうです!出血が止まっても、鎌倉さんの最期が近いことに変わりない・・・。しかし、目の前のことを素直に喜べる・・・。

ささやかな喜びは、そこかしこにある!それを感じられれば、人は輝ける!穏やかな最期を迎えることができる!やるべき仕事が見つかった!と思ったのだそうです。

鎌倉さんは、3週間後に、家族が見守る中、息を引き取ったそうです。(ご家族の方が、当時の秋山さんのことを、心が入っていると思った!と、おっしゃっていました。)


最後に、104歳という高齢のおじいちゃんの容態が急変・・・。老衰で、死がせまってきている状態に・・・。

家族に、目の前の現実と向き合ってもらう・・・。家族に、それを受け入れてもらうために、秋山さんは、その話に踏み込むまでに、1時間もお話されていました。それは、患者さんと家族ともに、穏やかな日々を取り戻すために、大切なメッセージを伝えようとしたんですけどね・・・。家族を傷つけないように・・・。医療の面でもすごい力をもっている方だと思いますが、心のケアも大切にされていて、素晴らしい方だな・・・と思いました。


昨日の放送を見て、昨年、大学で勉強したターミナルケアや、グリーフケア・・・。沢山のことを思い出しました。

終末期のがん患者さんの気持ちや、家族も苦しむということとか・・・。


日常の生活を大事にする・・・。普通の、なんでもない会話が出来ることが、幸せであるということ・・・。

ごく日常生活の中に、実はこたえがあるということ・・・。

なかなか気づけないけど、すごく当たり前のことが大切なんだということを感じさせてくれた放送でした♪


来週の『プロフェッショナル』は、スペシャル放送!三浦知良選手~キング・カズ 走り続ける理由がある~が放送されるそうです!(その後、半年間お休みなんですよね・・・。私にとって、モチベーション維持するために、なくてはならない最強の番組なんですけど・・・。本当に残念に思います。)