昨日、NHKニュースで、追悼展「平山郁夫 最期の風景」の紹介がされていました。


昨年12月にお亡くなりになった平山郁夫さん・・・。

今月2日に営まれた「お別れの会」では、美術界や政財界の関係者ら約2千人が参列されたというニュースが流れました。

多くの方から慕われ惜しまれながら亡くなったんですよね・・・。私もとてもショックを受けました。

白い花で彩られた祭壇・・・。穏やかな表情の遺影・・・。平山さんが描いたシルクロードの作品をイメージしたびょうぶが飾られていたのが印象的でした。


そんな平山さんが、亡くなる直前まで描いていた作品やシルクロードなどの代表作を含めて展示される、追悼展「平山郁夫 最期の風景」が、来月(3月21日~5月31日)、「平山郁夫シルクロード美術館」(山梨県北杜市長坂町小荒間)で開催されるそうです。


近年、体調を崩されて入退院を繰り返していた平山さんは、身近なものを主題とし、花などに目を向けて、作品を描いていたそうです。


昨日、平山さんの奥様美和子夫人がインタビューに応え、この最期の作品について語られていました。


最期となってしまった作品は・・・。

病室の窓越しに見える街並みを描いたスケッチでした。

この作品、今春の日本美術院展覧会への準備として描いていたそうです。院展のために・・・というナレーションが流れた時、私は胸が詰まる想いがしました。

春の院展にふさわしく、鮮やかに、色とりどりの花が咲いた素敵な作品です。


平山さんは、最期まで創作意欲は衰えることがなく、絵筆をにぎり、制作に励んでいたそうです。


シルクロードなどの代表作をご存知の方が、この花の作品をご覧になると、画風の違いに驚かれるかもしれません。

最期、日常のありふれた風景の中に生きる、小さな命・・・。当たり前のように見過ごしてしまうような、でも静かに生きている命を描きたかったのかな・・・と思いました。


昨年、平山さんがお亡くなりになってすぐに、NHKの「アーカイブス」で、平山さんの特集がされたのですが・・・。

昨日、この作品を見た時、「アーカイブス」の中で平山さんが、「私は光を描きたい・・・生きるための光を描き続けたい・・・」とおしゃっていた言葉を思い出しました。

光=花なのではないかな?と思いました。

病気で苦しんでいても、光の中に希望を見つけ、綺麗なものを描き続けた平山さんの強い意志が、この作品の中にはっきりと描かれているような・・・そんな気がしました。