今日の日本経済新聞の朝刊の「文化」面に、東京都心で新築相次ぐ「私立美術館、発信力磨く!」という記事が載っていました。
芸術の秋、東京都心部の私立美術館が動き出している・・・という内容でした。
東京都心部では、私立美術館が、今年に入って3館もリニューアルオープンし、来春にも1館が新規会館する予定になっています。
私も、最近、リニューアルオープンする美術館が多いな~と思っていたところでした!
今月7日に、リニューアルオープンした根津美術館(港区南青山)。
東武グループ創業者の根津壽一郎さんが収集された東洋古美術の一大コレクションを基に、1941年に創立した根津美術館。建物の老朽化にともない、3年以上前から新館建築を進めてきた美術館です。
開館に際し、強く意識したのが公共性なのだそうです。庭園内にある保護樹の説明提示、日英中韓4カ国語のガイドの作成や、館長以下スタッフ全員がバリアフリーの研修を受講され、身体障害者の方を迎える態勢を整えたのだそうです!
只今、「新・根津美術館展 国宝那智瀧図と自然の造形」開催中!
根津美術館展HPは、こちらです。
http://www.nezu-muse.or.jp/index.html
今月3日に、ポーラ創業80年を機して建て直し、銀座の新ビルにオープンしたのが、ポーラ・ミュージアム・アネックス!ルノワール、モネ、シャガールらの名画がそろう箱根のポーラ美術館の収蔵品を東京でも展示しています。併設したレストランやカフェとも連動させて、銀座という地の利を生かした集客を狙っているそうです。
只今、「美術を変えた9人の画家」開催中!
ポーラ・ミュージアム・アネックスのHPは、こちらです。
http://www.pola.co.jp/m-annex/
そして、今月1日に移転オープンしたのが、山種美術館。(渋谷区広尾)
旧山種証券創業者、山崎種二さんコレクションを基に66年、日本初の近代日本画家専門館として日本橋兜町に開設。速水御舟や奥村土牛らの名作コレクションで知られる老舗。老朽化により、その後、千代田区三番町へ仮移転を経て、今回、ようやく念願の新館開館となりました。
新館の広さは旧館の約2倍。入りやすいカフェを1階に設け、女性誌などへのアピールも強化しているそうです。
只今、「新美術館開館記念特別展 速水御舟展」開催中!
山種美術館のHPは、こちらです。
http://www.yamatane-museum.or.jp/index.html
3つの美術館とも、自前あるいは関連館の収蔵品で開館記念展を飾っているのが特徴と書かれていました。
来年4月には、東京駅近くに、三菱一号館美術館(千代田区)の開館が予定されています。
明治期の丸の内オフィス街の象徴だった建物を忠実に復元して開設するそうです。楽しみです♪
仕事帰りにも立ち寄れるように、午後8時までの開館とする指針なのだそうですよ。
私立美術館の場合、独自採算の財団法人が本体企業と切り離した別会社が運営する形態が多いけれど、いずれも美術館収入だけで成り立っているのではないそうです。
有価証券の利息収入や企業からの寄付は景気後退で減少していて、どこも相当に切りつめているのが実情なのだそうです。
アートイベントや開館時間延長などを行い・・・。私立館ならではの個性と機動力を武器に、魅力と発信力を高めているという記事でした。
ちなみに、明日のNHK『日曜美術館』は、只今、山種美術館で「速水御舟展」も開催されていますが・・・。
「最期の葛藤 天才画家 速水御舟」と題し、日本画家・速水御舟さんの特集です。こちらも、楽しみです。
『日曜美術館』HPは、こちらです。