山本一力さんの『大川わたり』を読み終わりました・・・。
Going my way ~どこまでも続く道~-藤沢周平 心の風景
最後のどんでん返しが、とても面白かったです。(主人公の銀次のことを想ってくれている人たちが、大芝居を打つんですけどね・・・。)

舞台を観に行く予定なので、詳しい内容は、書きませんが・・・。

過ちを犯してしまっても、そこから、日々精進することで、生き方や人生を変えることは出来るんだな・・・という感想をもちました。


そして、今日、紹介する本『藤沢周平 心の風景』

参考文献を探しに、図書館に行って、偶然に見つけた一冊!こちらも、あっという間に、読み終わりました。

著者は、藤沢周平さん、佐藤賢一さん、八尾坂弘喜さん、そして『大川わたり』の著者、山本一力さんも、この本の中で、藤沢周平さんの作品について語っています。


藤沢周平さんの故郷であり、作品の舞台・海坂藩のモデルでもある山形県鶴岡。

この山形・庄内藩の風景や風俗が挙げられている本です。

この本の中の風景写真がすごく素敵で、この本を読むと、藤沢周平さんの小説の中の風景は、こんな感じなんだろうな・・・という雰囲気が味わえる一冊です。

また、藤沢周平さんの名作『蝉しぐれ』を「傑作」と惚れ込んだ作家の井上ひさしさんが、小説の矛盾点も含めて作成した詳細な「海坂藩・城地図」も載っています。


この『藤沢周平 心の風景』の中で、山本一力さんが、藤沢周平さんの『橋ものがたり』についてや、藤沢周平作品との出会いについて書かれているのですが・・・。

『橋』について、“橋は流れの上に架かっていて、両岸を結んでいる。そしてひとはさまざまな思いを秘めて、橋を渡る”・・・という文がありました。『大川わたり』を読むと、山本さんの、この深い言葉の意味がわかると思います。

山本一力さんが、どれだけ深川や川や橋に、こだわりをもって小説を書かれているのかが、わかってきたような気がします。


また、“深川で読む藤沢周平”・・・に、江戸の風情と、藤沢周平さんの小説の世界を重ねて感じることのできる、素敵な文章が載っていました。


江戸の香りが残る町。

人情味にあふれた町。


深川を形容する決まり文句だが、的を射ている。

間違いなく深川の地べたは、江戸のころにつながっている。

両足でしっかりと地べたを踏ん張れば、足元から江戸が伝わってくるはずだ。

そんな土地で、たとえば富岡八幡宮の石段に腰をおろして、藤沢周平を読む。


春は花吹雪のなかの桜の老木。

夏は青葉と蝉時雨。

秋は色づいたイチョウの葉。

冬は松葉にかぶさった暮雪。

眼前に広がる江戸を愛でながら、藤沢周平の文章を読む。

このうえない贅沢な時間が、ゆるやかに流れて行く。


『藤沢周平 心の風景』。藤沢周平さんはもちろん、山本一力さん、佐藤賢一さんの小説が好きな方にも、是非お薦めしたい一冊です。


そして、今夜のNHKクローズアップ現代『涙と汗のゴール~自転車“わが人生”~』のスタジオゲストに、山本一力さんが出演されます!