『児童心理』 4月号に、作家・演出家の鴻上尚史さんの「豊かな表現力を育てるために」という記事が載っていました。(現在、『児童心理』は5月号が発売されています。もっと早くアップしたかったんですけど・・・。)
「これからの時代を素敵に生きていくには、声を出したり、身体を動かしたりすることの楽しさを知りながら、表現力を高めていくことが大切だと思うのです・・・」
鴻上さんは、ゲーム形式などを取り入れながら、声と身体を使って遊んだり気持ちを伝えたりして表現力を高めるワークショップを行っているそうです。
演劇の世界で表現力のテクニックを磨くために行われていたものですが、一般の人にも応用できるレッスンなのだそうです。
鴻上さんが、気持ちや感情を表現する、その表現力の差とは何でしょうという質問に対し、次のようにこたえていました。
「たとえば声。声には大きさ、高さ、速さ、間、音色の5つの要素がある。声の表現にバリエーションがなく、単調な人は、恋人と話すのも会議で司会するのもみんな同じ声で、表現の幅が狭い。声の表現が豊かな人は相手や場所に合わせて5つの要素を使いわけられる。」
「表現が豊かになるかは、その人が表現というもの自体を楽しんでいるかに大きくかかわっています。普段から、演劇や映画、コンサートなどが好きで親しんでいると、言葉や声の要素の使い方が多様になってくる。表現の多様性を知っているから自然と出てくるようになる・・・」
この文章を読んで、役者さんでなくても、普段の生活の中で、人に気持ちを伝える時に、声のトーンを変えたりすることで(表現の多様性を知っておくことで)、相手に対して、気持ちの伝わり方も変わってくるんだろうな・・・と思いました。
こういうことを知っていると、逆に相手の気持ちを理解する時にも役に立ちそうだな・・・と思いました。
最後に、この雑誌は、子どもの心を育む教師と親のための雑誌なので、こんなお言葉が・・・。
「周りの大人が楽しく人生を生きていることが、大事だと思います。楽しく生きている大人を見ていれば、子どももこういうふうに生きたいと思うはずだし・・・<中略>大人がのん気に、楽しく生きていくことが、いちばんの教育ではないかと思います。」
その通りだな~と思いました。
心理学の勉強になるかな~と思って、読んでいる雑誌なのですが、私の趣味でもある舞台やミュージカルにも関係している、とても素敵なお話が掲載されていて、嬉しかったです。
鴻上尚史さんが企画・原作・脚本・演出をされる舞台『僕たちの好きだった革命』のHPは、こちら です。
5月19日から30日。東京芸術劇場(中ホール)。
鴻上さんが司会をされている、NHK「COOL JAPAN」のHPは、こちら です。