今日、NHKスペシャル「私の声が聞こえますか」~植物状態からの帰還~が放送されていました。
目は覚めていても、呼びかけには応えることがない「植物状態」の患者さんは、回復の見込みが薄いとされ、積極的な治療は行われてきませんでした。
これまで「植物状態」は、交通事故や脳卒中などで、脳に損傷を受け意識を失っている状態だと考えられてきました。
しかし、最新の脳科学では、植物状態の患者さんでも回復の可能性があることが明らかとなってきているそうです。
番組では、患者さんの体内に埋め込んだ電極から、脳に電気刺激を送る治療を行い、植物状態から最先端治療によって、回復していく姿が放送されていました。
電気刺激の治療を受けている娘さんのご両親の言葉が印象に残りました。
治療により回復の見込みが表れ始めた時、娘さんが目に涙を浮かべるようになったことを気にして・・・。
「悲しいという気持ちは、涙を流すことで訴えているんだろうね・・・。
そういう気持ちの表現じゃ、さみしすぎるじゃん・・・。
悲しいことだけ訴えて、嬉しいこととか希望とか夢とか、もっともっと話をしてほしい。」
もっと、気持ちを表現してくれれば、こちらももっと娘さんの気持ちに応えてあげれるのに・・・という話をされていました。
その後、この患者さん(娘さん)は、めざましい回復力をみせ、番組の最後には、ペンをもちハートマークを書いたり、キーボードで「カエルの唄」を演奏していました。
娘さんの為に、演奏会に行ったり、娘さんが吹奏楽部に所属していた時の同級生に会わせたり・・・。
「カエルの唄」を弾いた時のキーボードも、音楽の好きな娘さんの為にとご両親が用意されたものでした。
回復の希望を決して捨てない、患者さんと、家族の熱い思いが感じられました。
番組の最後、「カエルの唄」を娘さんが演奏できた時、お父さんが涙ぐみながら、
「感激だな~、嬉しい・・・」
そして、その後、
「もっと、もっと、期待できるかもしれない・・・」
とおっしゃっていた言葉。
娘さんが、嬉しいこととか希望とか夢とか、もっともっと表現できるように回復されると良いですよね。
「カエルの唄」は、娘さんの嬉しい気持ちが表れた、第一歩なんじゃないかなっと思いました。
最先端治療のすごさと、人間の脳の回復力に、とても驚かされました。