今週は、なぜか友人たちからの
お誘いが多めで
少しだけ遠くまで出かけたりした。

中でも仲良しのP美と行ったところは

昔々、訳あって子供のころの私が
半年だけ住むことになった場所と
目と鼻の先のところだった!!

P美は当然、そんなことはまったく
知る由もなく、たまたまロケーション的に
行ってみたかったとのことで 

その日は、天気も気温も申し分なく
とても美しい景色に心が和んだ。
美しいリゾートの佇まいだった。

平日のレストランのランチタイム、
ほぼ女性ばかり爆笑

その海辺の街…

と、書くと聞こえがいいが

私が住まなければいけなかった当時、
そこは単なる埋立地の端の
荒涼たる場所だったのだ。

住居表示も景色も建物もすっかり
変わっていたが、
交差点の名前やバス停名など、
ところどころに旧住居表示の痕跡があり
そこがかつて自分が置かれていた場所の
あたりだと気づいたのだ。

最近ではすっかり忘れていたことだったが

その場所に近づいたとき
私はいきなり、

あっ、ここはもしやびっくり!

と、フリーズしてしまった。

半年だけ、その土地の小学校に通った。
 
思い出したくもない半年。

それで記憶から消し去って
いたのだろうと思う。

P美にそのことを話したら
…思い出したくもない、ところは
話さなかったけれど…

ものすごくビックリしていた。

そして、帰宅してから頭の中を整理して
当時のいろいろな
出来事を思い出し、

驚きすぎて私自身、息を飲むほど
だったことがもうひとつ判明した。

その半年だけ住んだ場所の○丁目○番地、
の部分が、

なんと今の住まいと完全に一致しているのだポーン

こんな偶然ってあるのだろうか。

その当時、荒涼として地の果てのように
思えた場所。

転校先で孤独だったこと。

ほくろだらけの醜く太った中年女担任が
転校初日に私にぶつけた嘲りの言葉。

いきなり掃除当番。
その学校の掃除道具の使い方がわからず
ゴミを上手くすくえずにいた、
緊張していて、
黒板消しを床に落としたりした。

たったそれだけのことで
他の子供たちの前で

「あなたは何をやってもダメなのね」
 言い放ったサイテー教師。

うるさい、黙れムキー!!!!

1人で泣きながら家の前の地面を掘り返すと
白い貝殻が🐚無数に出てきたこと。

強風。ひどい土ぼこり。

暗い灰色の海。

そんな葬り去った思い出を
一瞬は思い出して悲しくなってしまったけれど

美しい光景と言葉に出来ないほどの
楽しい時間で
見事に上書きして消してくれた
友人が私にはいるのだおねがい

P美が私と一緒に笑ってくれた。
同じ光景を見て
なんて美しい!と、
同じように感嘆の声を上げた。

沖をいく大型の船が太陽に
煌めいて、頭上を飛ぶ鳥たちは
自由を楽しんでいるように見えた。

悲しい記憶は美しい記憶に
置き換えよう。

悲しみながら生きても
笑って過ごしても

私にも誰にでも、残された時間は限りが
あるのだから。

あの頃の海はいつもグレーに
見えた。
冷たくて暗い海。
入ってどんどん進んで
行ったら死ねるだろうか、と
声も出さずに泣きながら
子供心に何度も思っていた。

今週見た海は、
どこまでも碧くて、静かだった。

瞳に映る海の色、それは
きっとその日の
自分の心を映しているのだろう。