東京に用事があって

車で出かけた



首都高は

案の定、渋滞で

止まって動いて 動いて止まって



止まったときに

ふと見上げると


隣の車線のトラックに

大きな黒い牛が

載せられていた




最初は

「わぁ、すごいデレデレ

と思って

写真を撮ったけど


「あの子たちはどこに行くんだろう」

と考えた瞬間


切なさが

こみあげてきた



トラックのナンバーは

北関東



「……食べられるために?連れてこられたの?…」

驚き




ここに今ある命は

人のために消えてしまうんだ


悲しいけれど


私たちは

その命をいただくことで

生きているから


生かしてもらっているから



ごめんなさい

ありがとう





帰宅してから

写真を見返したら


こっちを見つめる目が

すべてを悟っているように見えて


とても神々しくて

涙があふれた