昨日は、広島で行われた『ひろしま乳がんアカデミア』に行って来ました。
 
その件についてはまた改めて記事にしたいと思いますが、
『最新のトピックス』として遺伝子検査のお話しもありました。
 
主にはオンコタイプDXのことだったのですが、
こういう場合(抗がん剤治療を追加するか悩ましいケース)自分だったらどうしますか?
という質問があり、
 
①何もしない
②ホルモン療法だけ
③ホルモン療法+抗がん剤
④オンコタイプDXを受ける
 
の中で、ほとんどの方が②の『ホルモン療法だけ』、というところに挙手されていました。
 
まぁそうですね、抗がん剤治療の過酷さを身を持って知っている患者さんが多いだけに、
できるだけ抗がん剤治療を避けたいというところで納得できます。
 
とはいえ、逆にその効果を知っている方も多いわけで、
③の『抗がん剤治療を追加する』というところにも、
比較的多くの方が手を挙げられていました。
 
しかし、④のオンコタイプDXを受けると答えた方はあまり多くありませんでした。
 
その前に登壇されていた先生が「40万円かかりますけど」
とおっしゃったのも大きいと思うのですが、
実際それだけの大金を払って受けることになるわけですから、
その人の価値観とか、重要視したいことの違い、となるのでしょうね。
 
私は、やらずに済むならできる限り抗がん剤治療を受けたくないと思ったので、
マンマプリントを受けました。
 
オンコタイプDXではなくマンマプリントにしたのは、
 
・「抗がん剤をやるかやらないか」の判断指標を「再発率」だけに絞っていたので、
抗がん剤の効果予測は必要ないと判断したため
 
・マンマプリントはハイリスクかローリスクか2つに1つの分類なので、
『中間リスク』で結局悩まなければいけない、という可能性がなかったため
 
・費用が抑えられるため(オンコタイプDX:40万+α・マンマプリント:30万+α)
 
です。
 
結果として、残念ながら私は『ハイリスク』ということでしたので、
12%でも再発率を抑えられる可能性があるのなら、
抗がん剤治療をしよう、という決断をしました。

(以前、私がブログに書いた『マンマプリントの結果について』という記事に詳しく書いています)

 

しかし、『ハイリスク』という結果を聞いて、すぐに受け止められたわけではありません。
 
遺伝子レベルで再発率が高いがんだった、ということももちろんショックだし、
やっぱり抗がん剤をしたくない気持ちは変わらないからです。
 
私が若年性乳がんだったということもあります。
 
抗がん剤治療によって卵巣が受けるダメージは相当なものです。
(1回の抗がん剤治療で卵巣機能は10年年を取ると言われています)
 
子どもが産めなくなる可能性が高くなります。
 
それは、子どもを持ちたいと思っている、しかも、今ならまだその希望が残っている、
そういう女性にとって、どんなに大きな決断になるか。
 
想像していただくだけでも分かると思います。
 
これに関しては、『妊孕性の温存』という選択肢もありますが、
卵子凍結での成功率は10パーセント程度だと言われています。
 
採卵のためにがん治療が一旦ストップしますので、
その部分のリスクも考えなければなりません。
 
また、卵子凍結にかかる費用は40万~60万が相場で、
別途、卵子の保管にも毎年費用が発生します。
 
残念ながら現状では、自分の命と我が子を胸に抱くという夢と、
懐具合を同じ土俵に上げて、考えるしかありません。
 
ある日突然がんと言われただけでも相当なストレスなのに、
次々と大きな問題を突きつけられて、
短期間で正しい(自分にとって)選択をしなければいけない。
 
悩み、苦しみ、嘆き、悲しみ、それでも絶望の奥底から這い上がって、
『生きる』ために過酷な治療をするのです。
 
話が逸れました。
 
私には『ハイリスク』だと分かっているのに、
抗がん剤をしないという選択をする勇気はありませんでした。
 
できる手があるのなら、できる限りのことをしておきたい、
それが私の個人的な価値観です。
 
抗がん剤が効きにくいタイプということも分かっているので、
可能性で言えば、辛い治療に耐えても効果が得られない、
ということもあるかもしれません。
 
でも、「できることをやった」という自信は持てるわけで、
「あの時、抗がん剤をやっておけばよかった」という後悔はしなくて済む。
 
結果や未来は誰にも分からない。
 
だから、『今』納得できる決断をしなければいけないと思います。
 
れんさん。
 
いっぱいいっぱい悩んでください。
誰かの意見は誰かの意見でしかありません。
 
れんさんがこうと決めたことなら、きっと頑張れます。
 
頑張れない時も、1人じゃないということ、忘れないでくださいね。

 

『Adjuvant  response therapy』の部分です。
 
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