これはまた好きな作家さんが増えた!
と喜んだ一冊。

創元社ミステリィフロンティアシリーズは、基本的にハズレはないと思っていて、必ずチェックするシリーズ。

それでもたまに作品背景や世界にうまく入り込めず、読了に苦労することもあって最近はかなり恐る恐る読んでました。

ところが、3月に発売されたこちらの作品は一気読み。


いまどき珍しい目の、短編が連作になってません。

世界も人物も、日常の謎も殺人もある、まさにいろいろ楽しめるミステリーの一冊です。


今回のタイトルと同名の作品はありません。

それも最近では見かけないかもですね。

大抵タイトルは一作から取ることが多い印象です。


そしてどの短編も面白い。

ミステリーとしても、心理的な読み解きにしても、業界の背景にしても、どれもあぁ人ってこんなもんよなぁと感じます。

良くも悪くも。


そして、最後の受賞作を読んで、このミステリーの謎解きうんぬんより、ここでおそらく1番書きたかったであろう「ぼくらは回収しない」テーマを深く自分の人生に置き換えるのでした。

ダイパ、コスパが当たり前に語られ、効率や効果を求められる世界にいて、感じる自身の生き方。

誰かの目や反応を意識しがちな社会にいて、実際の自分はどうだったか。


真っ直ぐ一直線に歩くつもりはほとんどなく、寄り道や回り道をしながら来た方だと思うのですが、振り返るとまっすぐな道を進めてきたほうなんだよなぁと思うのでした。


なぜそうなったのか…

(案外真っ直ぐ一直線に生きようとする人の方が、真っ直ぐにならない過程みたいなものも書かれてます)

そういったことがこの一冊に書かれていて、あぁこの筆者は二十代でこんな作品を書くのだなぁ。鋭いなぁと感じ入りました。


無駄や意味がなさそうだったりすることが、まわりまわって全く無意識に、ある到達点に達する布石になっていた。


そんな経験をしてきたすべての方にオススメの一冊です。


ぼくらは回収しない (ミステリ・フロンティア)


〈Amazonより〉

大倉崇裕・大崎梢・米澤穂信 三選考委員、賞賛!
新人賞二冠達成

大学の寮で、高校の部室で、
亡き祖父の書斎で――
ぼくらが遭遇した五つの謎。
第19回ミステリーズ!新人賞受賞作を収録した鮮烈な作品集!

数十年に一度の日食が起きた日、名門大学の学生寮で女子学生が亡くなった。密室状態の現場から自殺と考えられたが、小説家としても活躍し、才気溢れた彼女が死を選ぶだろうか?
三年間をともに過ごしながら、孤高の存在だった彼女と理解し合えないまま二度と会えなくなったことに思い至った寮生たちは、独自に事件を調べ始める――。第十九回ミステリーズ!新人賞受賞作「ルナティック・レトリーバー」を含む五編を収録。大胆なトリックと繊細な心理描写で注目を集め、新人賞二冠を達成した新鋭による、鮮烈な独立作品集。

■目次
「街頭インタビュー」
「カエル殺し」
「追想の家」
「速水士郎を追いかけて」
「ルナティック・レトリーバー」






大学めも📝

6科目中、3科目の中間課題を仕上げました。

1科目は記述式だったので、早く出す必要があって即投函です。

やっぱり数学は理科の基本になるのだなぁと思いつつ、偏微分方程式や、全微分を解く人生は想定していませんでした。おもしろいのだけど、やっぱりよくわからないことだらけです。

あと熱力学って化学とか物理なイメージだったのに、ほぼ数学を聞いている感じで、やはり難しくて頭を抱えてるのでした。

さて、無事月末週までに全科目提出できるでしょうか…。