いま大学の第二外国語の人気は、中国・韓国語なのだとか。
あとスペイン語も覚えやすいとのことで人気と聞きました。
そして長年第二外国語としてシェアを占めていたフランス語やドイツ語は人気が凋落しており、なかなか中級や上級講座の人数が集まらず開講が難しいのだとか。
先生方もこの際ラクそうとかでもいいから、興味を持ったら受講してほしいと話されていました。
そんな時代が来るなんてと思いながら読んだのが今回の本です。
1986年当時、韓国語学習歴10年の茨木さんが語る学習者としてのいろんな韓国の文化や歴史などのお話。
詩人でもあるので、韓国の詩も多く紹介されます。これが発音とともに書いてるのでとても興味深いんですよね。
詩って音読されることが視野にあるから、当然と言えば当然なのかもしれません。
そして1976年前後に学習し始めたころ、彼女は周りの人から「なぜ韓国語を勉強するの?」と何度も何度も聞かれたようです。
これまでの歴史や背景などがその発言には込められています。
新宿にあった朝日カルチャーセンターで開講された講座を熱心に受講され、中級以上の講座はないので先生が開催している他のところの講座などをはしごしながら学んだそう。
50歳からはじめた韓国語の学習が人生で一番勉強してると語ります。
言語を学ぶというのは、文化や歴史なども触れるということ。
実におおくのことが短い章に分けて描かれています。
今では違いが大きく感じるところもあれば、ヘイトスピーチなどで踏襲されてる部分もあります。
同じような頃に中国語を勉強された方の、こちらの本も過去に紹介したことがありました。
日中国交回復前の時代から学び始めた、専業主婦だった方の悪戦苦闘の中国語学習のお話です。
中国も韓国も近いのに、いや近いからこそいろいろ考えや思いが浮かび、近いのに遠い国だった時期があるのだなぁと感じます。
NHK語学講座で、中国語と韓国語は初級者用と中級者用の2種類が開講されてます。さらにはテレビ講座も。
人気と需要があるからこその充実度ですが、これはドイツ語やフランス語のように昔から開講されていた訳ではないようです。
特に韓国語については、NHKにラジオ語学講座開講の要望書を出す運動があったという記載に驚きました。
そして開講にあたり韓国語なのか朝鮮語なのか、はたまたと呼称についても揉めたのだとか(このあたりは南北の歴史もあり本当に難しいですね)
ハングル語講座として開講され今に至ります。
時代の違いを感じながらも、普遍的なものや国や人のもつ価値や価値観に触れることもできる学習者本は良い本だなぁと感じます。
私自身アラフォーでまだまだ未熟者ながらも、またがんばろうと心に誓うのでした。