前回65歳(くらい)に死ぬSF短編を取り上げましたが、今回は25歳が寿命のお話です。
ある日突然砂漠にある微生物を含む隕石落下があり、パンデミックで人類は危機的な状況に陥ります。
化学や医療の研究によりなんとか25歳くらいまで生きられるようになるのですが、こうなると国の仕組みも大きく変えなくてはなりません。
まず学校では生殖の大切さを教え込まれます。
そして15歳で卒業する際に、自身のパートナーとなる人と、就職先が告げられます。
そしてそのパートナーと暮らし、仕事をしながら過ごすこととなります。
子供を産むほど社会では優遇されます。
子供も1歳くらいには国の施設にて育てられます。
子は親のものではなく、まさに国の宝ということですね。
そして老衰(といっても20代半ば)時期になると、最期に過ごす施設に入ることもできます。これも優遇されるのは結婚→子供をたくさん産んだ人ですね。
なので、国からの給与も食料やその他生活用品の配給もあります。
徹底的にシステム的な社会となっています。
ただ長命種もわずかにいたりとか、離婚も実はできたりとか、この社会が合わずに他のコミニティーを作って暮らす人がいたりとか、このあたりも描かれていて、設定に奥行きを与えています。
こんな社会に住む六人の女性が主人公ですが、ほぼ恋愛小説です。
15歳で知らない相手と結ばれるのですが、それなりに相性なども加味されてるようで、そこまで酷いことにはなっていません。
むしろまだ若いからこその柔軟性でか、みんな相手とこれからの生活を育てていこうとするところが微笑ましかったです(もちろん全作品そうではないのでご安心を)
異常社会ででも、生きて暮らす人々の暮らしがあって、そういう話が好きな私は、先入観以上に楽しく読むことができました。
久しぶりの恋愛小説だったなぁ。
いっそ最初から短い人生が設定されてると、諦めるところとかがとてもスパッとしていますね。
こんなこと言ったら身もふたもないのかもしれないけれど。
この点は恋愛と人生の逆方向の部分だなあと思っていました。
〈Amazonより〉
この異常が、私たちの日常
未知の細菌がもたらした毒素が猛威をふるい続け数百年。世界の人口は激減し、人類の平均寿命は25歳にまで低下した。人口減を食い止め都市機能を維持するため、就労と結婚の自由は政府により大きく制限されるようになった。そうして国民は政府が決めた相手と結婚し、一人でも多く子供を作ることを求められるようになり――。
結婚が強制される社会で離婚した夫婦のその後を描く「別れても嫌な人」。子供を産むことが全ての世の中で“子供を作らない”選択をした夫婦の葛藤を描く「カナンの初恋」など、異常が日常となった世界に生きる6人の女性たちの物語。
師走はしる
師走らしいというか、1週間が早すぎて泣きそうです笑
ボーナスとか一瞬でした。あれ?
充実してる証拠なんですけどね。
来年の法改正が国会で通ったので、同僚と4月以降の影響なんかをあれこれ検討していました。
知識の見直しとブラッシュアップ。そしてこういう話は結構好き。
あっという間に冬休みになりそうですね。