Netflix映画とのことで、原作本を手にしました。

映画は『ほの蒼き瞳』で、原作本は『陸軍士官学校の死』です。原作の原題がほの蒼き瞳なので映画の方が忠実ですね。

若かりし頃のエドガーランポーが出てくると聞いてワクワクしながら読み始めました。


ポーはわりと早い目に出てくるので、キャラを楽しみながら読めます。

上巻があっと読み終え、ポオも元警官のランダーもとてもいいコンビです。


とにかく寒そうな士官学校なので、今の季節に読むとちょっとリアルですね。


続々と亡くなるし、怪しい呪術的な話も出てくるしで、そういう悪魔集団というか信仰集団によるものかしらと思いながら読み進めました。


続々亡くなるほどに怪しい人は限定されてくるわけで、あの人なんじゃないかと思いながら進みます。が、あくまでポオは内緒の協力者なので、この姿を隠しながら士官学校内のあれこれを見聞きしたり、報告するのも一苦労だったりします。


ポオが差し出す報告書は詩だったりあれこれの美しい表現も入るので、こちらは事務的に役所的に必要な事実のみを読みたいのに!とジレてきます笑


そしてラスト。


なるほどーとなったあとに、え?ええ?えええー!っとなって読了です。


だからあらすじがこうなってたのか…不思議だったのよね。とわずかに気になっていたことがすっきりして完全に了解することになります。

これはネタバレになるので、ぜひお読みになってみてください。


海外小説ならではの異国感と、ミステリードラマを楽しむタイプの一冊。

映画もきっとスリリングなんじゃないかなと思います。










〈Amazonより〉

NETFLIX「ほの蒼き瞳」原作

引退した名警官ガス・ランダーは、ウエストポイント陸軍士官学校のセアー校長に呼び出され、内密に処理したい事件の捜査を依頼される。同校の士官候補生の首吊り死体から、何者かが心臓をくり抜き持ち去ったというのだ。捜査の過程でランダーは、ひとりの年若い協力者を得る。士官候補生一年の彼は青白い顔の夢想家で、名をエドガー・アラン・ポオといった――青年時代の文豪ポオを探偵役に迎えた、詩情豊かな傑作謎解きミステリ。

*第2位『2011本格ミステリ・ベスト10』海外ランキング
*第2位『IN★POCKET』2010年文庫翻訳ミステリー・ベスト10/総合部門
*第2位『IN★POCKET』2010年文庫翻訳ミステリー・ベスト10/翻訳家&評論家部門
*第4位『ミステリが読みたい!2011年版』海外篇/【海外部門新人賞】

/本格部門 第1位/サプライズ部門 第2位/キャラクター部門 第4位
*第8位『このミステリーがすごい!2011年版』海外編
*第10位『IN★POCKET』2010年文庫翻訳ミステリー・ベスト10/作家部門




audible日記

新作も結構ドシドシ音声化されてるaudibleですが、このミス1位の呉勝浩さんの『爆弾』もあって、怖さもあり悩みながら聞き始めました。


途中、本なら半目で読み進めそうな、ウンザリするやりとりもたっくさんあったんですけど、もう後半にかけて、一気に聞いていました。


なるほど社会を切り取った発言のオンパレードがあり、見て見ぬふりをしてるあれこれを突きつけられる。これがなかなか。

はたしてスズキはいわゆる弱者なのか?というのはあるんですけど、私としては自分は被害者であるという立ち位置にいる人は最強だなぁと思いながら聞いていました。自己卑下してる部分もしっかりと武器になるんだなぁと。


音声ドラマとしてほんとよかったです。

きっと読書としても心に響く人は多かっただろうなと今年人気の理由に納得したのでした。