阿津川さんの読書日記の本も読んでるのですが、ほんとミステリーの造詣がすごい。

これだけのインプットがベースにあって、ミステリー作家をされてるのだなぁと思います。

そして今回はノンシリーズであり、挑戦的な試みをされてるというこちらの短編集です。


どれもクスッと笑えたりする設定や、展開なんですが、きっちりミステリー好きを楽しませようという心意気が伝わってきます。


1番気に入ったのが、大学入試にミステリーを導入した作品。


コロナ禍で学校も休校などもありカリキュラムに振り回された時期に、大学入試も影響を受けました。

学生の洞察力や思考力を測るために、ある大学がこれまでの入試と違う試みをすることに。

それは国語の試験で犯人あてミステリーをするという試験問題です。


事前に参考となる図書の案内もあります。これはこれでまた楽しい。

そして、ただ試験問題が書かれただけの小説ではなく、ある受験生からこの試験に取り組むことになったその試行錯誤の様子や、Twitterや SNSでの世間の様子、さらにはこの試験問題決定までの大学側の裏側事情のドキュメントなどが描かれます。

さながら大学試験改革ドキュメント番組みたいですが、ありそうすぎて笑えてきます。

そして試験問題発表、予備校からの解答速報の発表…といかにもなアレコレ。


これだけでも面白かったのですが、さらにこの試験に巻き込まれた学生のそのあとの結末なども含めて、よく特徴をとらえてるなぁと感心することしきりです。


他の短編も同様に凝った設定で、ミステリー好きにはただただ楽しい一冊。


時折はいる本のタイトルの列挙も知ってる作品があるとニヒヒとなること請け合いです。


今乗ってる作家さんの1人ですね。


最近斜線堂さんとの共著もだされています。

似たもの同士のイメージが強い2人。

多作でもあるので作品を通じて楽しめる機会が多くてありがたい限りです。



〈Amazonより〉

本格ミステリ・ベスト10第1位『透明人間は密室に潜む』の衝撃、ふたたび――。

古書の街に現れた探偵の秘密、禁断の「犯人当て入試」狂騒曲、虚実が裏返る入れ子細工の2人劇、コロナ禍に覆面レスラー大集合で本人確認不能?……本格ミステリの極限を探る、濃縮された四編



ある日のおやつ日記

あっという間に10月!早いですね。

そうそう話題のローソンのお菓子をやっと手にして食べました。行くといつも売り切れで悲しみでした。

評判どおり美味しかったですよ〜