10数年ぶりに発売された『ブックキーパー脳男』がとても良いと話題になってますね。

シリーズの元となったこちらを読みながら最新刊到着を待つことに。


脳男というタイトルとこの表紙絵って、結構損してると思います。

スプラッタ系のホラーミステリーぽい風に感じられるんですよね。
現在は新装版が出ていて表紙絵はだいぶ雰囲気が違います。


実際の中身はというと。
ある殺人現場(爆弾を仕掛けている)にベテランの警察官が到着します。

そこで一味と思われる男に庇われ、爆破時にことなきを得ました。
そしてこの男を逮捕します。爆破犯は逃亡。

しかしこの男こそ鈴木一郎は取り調べで事件に関してまったく話さない。
なにか変な違和感もかんじ、まわりまわって精神鑑定を依頼することになります。

そこで選ばれた愛宕医療センター。
そして教授から指名されて担当することとなった真梨子。
本人に出会い、あらゆる検査を行い、わずかに感じた違和感から真梨子も鈴木一郎について調べることに。

この鈴木一郎の正体を辿る過程もすごく面白い。
さらにこのあとに出くわす事件における鈴木のあれこれはさらに面白いです。

江戸川乱歩賞受賞作なのも納得です。

ただ悪者ヒーロー的な作品(たとえば中山千里の御子柴シリーズ)ほどの魅力までは感じませんでした。
最新刊ではそこがどう描かれていて、みんなを引きこんでいるのかが気になります。

今作である程度までオープンになる鈴木一郎の正体。そして推理力。
手に汗をにぎるシーンも多いので、アクションミステリー小説が好きな方にはオススメです😊


あら20年前の作品なんですね。

〈Amazonより〉
猟奇的な連続爆弾犯のアジトで発見された、心を持たない男・鈴木一郎。逮捕後、新たな爆弾の在処を警察に告げた、この男は共犯者なのか。男の精神鑑定を担当する医師・鷲谷真梨子は、彼の本性を探ろうとするが……。そして、男が入院する病院に爆弾が仕掛けられた。
あらゆる感情が欠落した男。男の正体の解明に挑む精神科医と共に事件の核心にたどりついた刑事が見たものとは。
全選考委員が絶賛した超絶の江戸川乱歩賞受賞作。2000年週刊文春ミステリーベスト10 第1位