この時期本格ミステリー大賞の候補作品が発表されます。

本屋大賞や芥川・直木賞候補作品一覧より、ミステリー大賞候補の方を全部読みたくなるのは、久しぶりにザ・ミステリーを読んだからかも。

430p超えですがダレることなく一気読みです。



作者の阿津川さんは今年のこのミステリーが好きの方でもランクインされていて、新人作家さんのなかでももうすでに中堅どころに近いくらいの実力者の印象があります。

今回のこちらの本も、話題になったとか。

ちなみに続編にあたる本が同じくタイガから3日前くらいに発売になりました。
600p超えの文庫本なのに1200円というボリュームたっぷりのお話のようです。楽しみすぎる。


ミステリーのなかでも本格ミステリー好きはタイトルに「館」がついたらもうそれは、密室だったり、特殊環境だったりアリバイだったりのフルコースが楽しめるお約束のような符号ですよね。


今回もそういう意味ではきっちりその役割を果たしています。

ベストセラー推理小説家の暮らす山奥の一軒家。

その家のなかは、いろんな仕掛けが施されていて、まさにミステリー作家が建てた家そのもの。

そこに集まる見知らぬ者達。

勉強合宿を抜け出し、ファンの先生宅にやってきた探偵の葛城と田所の2人。

ここで山火事がおき、救助を待つ中まさかの、人が亡くなった。

殺人か事故か?

そして山火事に巻き込まれずに逃げることができるのか?


探偵の論理の積み重ねもとてもらしくて好きでした。

阿津川さんのほかの小説も読みたくなっています。

高校生のほろ苦さと、大人からみる論理の世界。

このあたりも書いちゃうんだなぁと今どきの本格推理小説としての矜持をみるような気持ちでした。
私は割と好きです、この突き抜けた感じ。


本格ミステリー好きなら講談社タイガだからライノベかな?とか全く気にしなくて問題ないので是非手にして欲しい一冊

(若いミステリー好き方に取りやすいように講談社文庫じゃなくあえてタイガにしたのかなと勝手に想像してます)


〈Amazonより〉
☆☆ミステリランキング続々ランクイン!☆☆ 
東大ミス研出身の25歳の挑戦状は、驚愕必至! 

「2020本格ミステリ・ベスト10」(原書房)国内ランキング 第3位 
「ミステリが読みたい! 2020年度版」(ハヤカワミステリマガジン)国内篇 第5位 
「このミステリーがすごい! 2020年度版」(宝島社)国内編 第6位 

☆☆☆ 

全焼まで、残り35時間。 
館に山火事迫る! 
殺人の真相を解き明かし、絡繰だらけの館から脱出せよ。 

☆☆☆ 

山中に隠棲した文豪に会うため、高校の合宿を抜け出した僕と友人の葛城は、落雷による山火事に遭遇。 
救助を待つうち、館に住むつばさと仲良くなる。 
だが翌朝、吊り天井で圧死した彼女が発見された。

これは事故か、殺人か。 
葛城は真相を推理しようとするが、住人や他の避難者は脱出を優先するべきだと語り――。 

タイムリミットは35時間。 
生存と真実、選ぶべきはどっちだ。 




続編はこちらです。