斜線堂さんのインタビューを読んだのですが、1日の執筆量は1万字だそう…。
ちなみにわたしは先日1日の文字数5千文字でした。
そんな斜線堂さん。
この間までは大学生作家でしたが、いまは専業作家さん。
この作品はちょっと変わった世界でのお話です。
今回は現実世界とSF世界が交わっています。
そして今までみたいに容赦ない救いのない描き方も健在。
もともと人を惹きつけるカリスマ性をもった子規と大学時代に知り合い、詐欺コンビを組んだ主人公。
霊能者として抜群の人気を集めます。
主人公は推理がとても優れているので、探し人や失せ物探しも道をつけ、クライエントの前で演ずる子規。
そりゃ信頼も人気も集まるわけです。
ただそんな日常がある日を境に大きく変わります。
子規が失踪。
ここからが物語のはじまり。
子規がいなくなり、見つけた世界が少しずつSFで、まさに「すこし不思議」な世界です。
主人公の推理は相変わらず痛快だし、落としどころの容赦なさが作者ならでは。
薄い本なのですが楽しめてあっという間に読み終えました。
『私が大好きな小説家を殺すまで』『夏の終わりに君が死ねば完璧だったから』の著者が問う、祈りと執着のミステリー
☆☆☆
俺の言う通りにしていればよかったのに
――なぜ消えた
☆☆☆
一世を風靡したカリスマ霊能力者・子規冴昼が失踪して三年。
ともに霊能力詐欺を働いた要に突然連絡が入る。
冴昼はなぜか超能力者しかいない街にいて、殺人の罪を着せられているというのだ。
容疑は““非能力者にしか動機がない””殺人。
「頑張って無実を証明しないと、大事な俺が死んじゃうよ」彼はそう笑った。
冴昼の麗しい笑顔に苛立ちを覚えつつ、要は調査に乗り出すが――。