『蜜蜂と遠雷』が映画化され、文庫化され、

ちょっとしたブームな気がしますが、そんななか発売された続編で短編小説集です。


(↑授業科目が一つ修了して甘いもので緩めるというシチュエーション)

蜜蜂と遠雷は単行本の際、絶対私が好きな本だと思って発売日に買ったのでした。

それから直木賞受賞して、映画化とあっという間に時が経って、この作品。


忘れてることだらけで、wikiで登場人物おさらいするはめに爆笑

もちろん短編小説集として、単独でも楽しめるけれど、絶対蜜蜂と遠雷を読んでからの方が楽しいと思います。

あのコンクールのその後や、意外な人物のエピソードからでてきた曲の秘密。

さらに外国人勢のキャラや生き様あたりなどは結構笑えたり。


みんな音楽を共通として、その世界を深めることに真摯に向き合っている。

このあたりは明確に正解はコレ!を見出せないものを扱う人(どんな分野であれ)に共通する唯一のやり方なんだと思ってみたり。

どの分野であれ驚くほど皆同じプロセスを歩んでる。


そして恩田陸は『才能というのは「続けられる」ことで、あらゆる仕事に共通して、ある意味の鈍感さ、しぶとさを持った人が才能のある人だと思った』(president onlineより)と語る。


いまエキスパート研究とともにその人のアイデンティティ(実践における哲学・倫理学)との関わりについて研究しようとしているからか、それぞれの向き合い方がより面白いと感じたのかも〜。


前作がハードカバーに上下段組の字がたっぷりだったのに対して、ずいぶんゆったりな行間と組み方。

読みやすさは抜群。

前作みたいな濃密さを感じたい人には少し物足りないかもです。

2作セットで中高生に薦めるのも良いですね照れ

祝祭と予感祝祭と予感
1,320円
Amazon

[Amazonより]
また彼らに、
会える。

待望の『蜜蜂と遠雷』スピンオフ短編小説集! 

大好きな仲間たちの、知らなかった秘密。 

入賞者ツアーのはざまで亜夜とマサルとなぜか塵が二人のピアノ恩師・綿貫先生の墓参りをする「祝祭と掃苔」。

芳ヶ江国際ピアノコンクールの審査員ナサニエルと三枝子の若き日の衝撃的な出会いとその後を描いた「獅子と芍薬」。

作曲家・菱沼忠明が課題曲「春と修羅」を作るきっかけとなった忘れ得ぬ一人の教え子の追憶「袈裟と鞦韆」。

ジュリアード音楽院に留学したマサルの意外な一面「竪琴と葦笛」。

楽器選びに悩むヴィオラ奏者・奏に天啓を伝える「鈴蘭と階段」。

ピアノの巨匠ホフマンが幼い塵と初めて出会った永遠のような瞬間「伝説と予感」。

全6編。