『上人さまと狸』
脚本 成島由紀子
美術 飯島由樹子
絵コンテ 演出 作画
亀垣一
むかーし昔・・・山奥にある小さな寺にひとりのお坊さんが住んでいました
そのお坊さんの念仏を聴くと、誰もが手を合わせずにはいられないという、ありがたい念仏でした
村の人々は『しょうにん様』とあがめ、うやまっていました
・・・やがて冬がやって来ました
雪が降る寒さの厳しい晩の事です
ドンッガタンッ
上人様『んん?こんな夜更けに…誰じゃ』
…そこには歳をとった狸の夫婦が、寒さに身を震わせておりました
狸「ミゥ~ミゥ~…」
上人様『何の用かな?』
上人様の耳にには不思議と狸の言っていることが良くわかりました
狸「わしらはこの山に棲んでいる狸の夫婦です。ここで上人様のありがたい念仏を聞かせていただきませんでしょうか?」
上人様『そうか・・・それでは中に入るがいい、外はこの寒さじゃ』
狸「ミィウゥ~」。゚(T^T)゚。
・・・上人様は、そうまでして念仏を聞きたいという狸の夫婦にたいそう心を動かされました
狸の夫婦は火鉢の温もりの中、心ゆくまで念仏を聞きました
上人様『・・・これは・・・フフフフ…そうか
』狸の夫婦は、お礼に栗や山芋を沢山持ってきました
そして、毎日念仏を聞きに上人様の元を訪れました
やがて雪がとけて、里の者たちがやって来る頃になると、あの狸の夫婦は旅人に化けたりして、じっとすわっていました
上人様『フフフ・・・どんなに上手に化けても…しっぽが出ておったぞ♪フフフ』
狸「ミゥッ!(-_\)(/_-)三( ゚Д゚)ミゥゥッ」
狸「上人様の念仏と火鉢の温かさで私たちは無事にこの冬を越すことができました、どうかお礼を…」
上人様『何をいっておる、気にせずまた来るが良い、あの栗や山芋もおまえたちが食べれば良い』
狸「ミィウゥゥ~。・゚゚・(≧д≦)・゚゚・。」
~やがて春が来て、村の者は上人様の所に相談にやって来ました~
村人【もうすぐ雨が良く降る季節、大水が出るとこちらに来る事が出来なくなります
川が溢れて田や畑が水びたしじゃあ…どうにかならんかのぉ

あのへそ曲がりの川はいつも水が溢れてしまうからのぅ
】上人様『うーん・・・そればかりは念仏でもどうにもならんからのう。。』
(狸の夫婦は、窓の外で話を聞いていました)
~その夜~
狸の夫婦は、上人様にお願いをしました
上人様『…ありがたい経文とな?』
狸「わしもこいつももう歳をとりました、毎日山を降りる事が辛くなってきました」
上人様『そうか・・・』
狸「そこで、ありがたい経文をいつも身に付けていられれば、どんなにうれしいかと…」
上人様『そうか、その信心大切にな』
上人様は小さな紙切れに念仏を2枚書いて
布に包んで狸の夫婦に渡しました
上人様『これをお守りとして身に付けておくがよい』
お守りを大事に首に結んで、狸の夫婦は山へ帰って行きました
…月日は流れ、雨が続くある日の事
上人様『あれからあの狸夫婦・・・姿を見せんのう』
村人【上人様ぁ】
上人様『あぁ、おまえたちどうした?この雨の中を来れたのか?』
村人【はい、今年は大きな川へ、ちゃんと水が流れております
こんな事は初めてです、不思議じゃのう】
上人様『。。。まさかっ』
それを聞いた上人様は、山の奥へと向かいました
上人様が川の分かれ目にやって来ると
そこには…
今まで無かった大きな2つの岩が水の流れるのを防いでおりました
上人様『おまえたち・・・』
岩には、念仏の入った布袋が置かれていました
上人様『そうか・・・そうかぁぁ・・・』
…この岩こそ、あの狸の夫婦の
【化身】でした
自分たちの寿命を悟った2匹は最後に上人様の役に立つ為
岩に姿を変え、水の流れをせき止めたのです
そして、この2つの大きな岩は
・・・今も川の流れを優しく受け止めているのです・・・
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