先週ある会に参加するために
京都に行ってきた
去年の10月に鞍馬寺へ行って以来
今回はその会場のある沿線に
宿泊することにした
嵐山本線、通称嵐電(らんでん)
どこから乗っても
どこで降りても
一律¥220
住宅密集地を走り抜け
なんなら普通のお宅の敷地内も
ホームになってるという
狭いながらの京都事情満載の電車
江ノ電に似てなくもない
せっかく京都に来たんだからと
宿坊に泊まることにした
数年前に
出羽三山は羽黒山の
宿坊に泊まって以来
最寄りの駅で降りて
宿坊まで歩き始めると
美味しそうな店がズラリ
さすが観光地京都
うまいもんだらけ
ジュルジュル〜🤤
そりゃ買うよね〜
京都に行ったら従姉妹に
生麩まんじゅうを食べて来いと
言われた
そりゃ食べるよね〜
普通のまんじゅうのつもりで
食べると一瞬混乱するやつ
ヌメッとした独特の食感も
慣れると病みつきになるやつ
オサレなカフェもひしめいていて
ついキョロキョロしてしまう
銭湯をリノベーションしたカフェ
いちいちオサレでその上美味しい
宿坊に着くまでに肥えそうだ
スイーツにうつつを
抜かしてるうちに
道に迷ってしまった
グーグルマップを
頼りに歩いているものの
どうしても辿り着けない
こんな住宅密集地の
袋小路のようなところに
寺なんか見当たらないよなあ
仕方ないので宿坊に電話を入れる
「今日予約してるんですけど迷ってしまって」
「え?今日でしたか?」
(へっ?忘れられてた的な?)
「そうしましたらお迎えに参りますので
そこでお待ちください」
しばらく待つと
大きな門が開いて
住職さんらしき男性が現れた
こんなとこに門があったんかーーい
目の前やないかーーい
門から続く真っ直ぐに
伸びた石畳の両側には
見事な苔庭と
新緑の木々とが
出迎えてくれて
住宅街の喧騒とはかけ離れた
別世界が広がっていた
なんでもここの紅葉は見事で
たくさんの観光客が訪れるらしい
でもこの時期は
閑散としていて誰もいない
こちらへどうぞと
通された部屋を見ておののいた
ガランとした大広間の一角に
四方を襖に仕切られた一室には
重ねられた布団とちゃぶ台だけが
無造作に置かれていた
ん?あれ?ガチの宿坊なの?ここ
旅館みたいなやつを
イメージしてた私は
完全に面食らい戸惑う
トイレはこちらですと
その先を見ると
しばらく続く渡り廊下を
行った先にポツンとある
無理無理無理
この廊下を1人で歩いて
トイレに行くのは無理w
四方の襖には何やら
葉模様が描かれてるんだけど
どう言うわけか
そのすべての葉っぱからは
緑の染料がしたたり落ちて
オドロオドロしい雰囲気を醸し出してる
もしこれが赤い葉っぱだったら
間違いなく血がしたたり落ちてるやつ
なんで?
こんなに滲んでるの?
京都の湿気でそうなるの?
それともわざとそう言うデザインなの?
そもそもこの部屋に寝ていいの?
無理無理無理
この部屋に1人で寝るのは無理w
それも2泊も
他に泊まり客ゼロで
こんな部屋に
ボッチで寝れないって
夜中にぜったい何か出てくるって
綺麗な眺めのいい庭園も
この時ばかりは
遠く彼方に吹っ飛んだ
朝のお勤めは今はやってないけど
お風呂が壊れてて銭湯に
行かなきゃいけないけど
門限は19:30だけど
朝食が精進料理だからと
それだけのために泊まりたくて
予約してみたけど
無理ぽwww
この部屋には
とてもじゃないが泊まれない
ソッコー私は近くの宿泊施設に
片っ端から電話をした
県民割りとかが始まってるせいか
なかなか空いていない
今日の今日だしなあ
なんたってもう夕方5時過ぎてるしなあ
諦めかけたその時
3軒目のゲストハウスで
やっと空室があった
助かった〜
この忌々しい寺から
一刻も早く逃げ出そう
受付にいた寺の人に
恐る恐る声をかける
「あのう〜
私やっぱりここに
1人では泊まれないです😭」
「え?そうなんですか?」
その女性は不思議そうな
残念そうな顔を浮かべていた
「本当に申し訳ありません🙇♀️🙇♀️🙇♀️」
自分がこれほどまでに
ビビりだったのかと
呆れたけど
無理なものは無理‼️
ましてや今日の予約を
忘れられてた時点で
縁がなかったと言うことで
キャンセル料を取られることもなく
滞在時間10分そこそこで
逃げるように宿坊を後にした
しかしこの時
私は大きなミスを
犯していることに
もはや気づく術もなかった
ゲストハウスに到着すると
気さくなオーナーさんが
2階の2部屋のうち
好きな方の部屋を
選んでいいと言ってくれた
日の当たる明るい方の部屋にした
さっきのオドロオドロしい襖の
部屋に比べたらもはや天国だった
下の階には中国人の親子が
泊まっていると言う
確か10年前に京都に来た時も
ゲストハウスに泊まったっけな
キッチン、バス、トイレすべて共同
気を取り直して夕食は近くの居酒屋へ
夏といえばハモ
京都といえばハモ
うんまい‼️
ハモの天ぷらを食べたら
さっきまでの動揺から
落ち着きを取り戻した
ハモを食べると思い出す
あの苦い思い出
何年か前に友人たちと
淡路島にあるオノコロ島へ渡って
その時生まれて初めて
ハモを食べた事を…
ちょうど今が旬だからと言う事で
私だけがハモの天ぷらを頼んだら
お皿に4切れ乗って運ばれて来た
ちょうど4人だったので
他の3人に一切れずつシェアした
もともと魚が
そんなに好きじゃないので
話のネタに
一切れ食べればいいや
くらいのノリだった
でもその一切れを食べてみたら
ふわふわのその柔らかい食感に
衝撃をくらった
な、な、なんじゃコリャ〜
うまい‼️うますぎるにも程がある‼️
こんなうまいものがあったのか‼️
ああ〜なんて事をしてしまったんだ‼️
みんなその一切れ返してくれーーー‼️
と心の中で泣いたのは言うまでもない
そんな語るも涙の思い出のハモ
それ以来私にとっては
誰にも渡せない特別なハモに
なってしまったのだった
もちろんこの日は
4切れすべてを1人で平らげた
京都は美味しいものがたくさんあるなあ
去年の10月に
連れて行ってもらった居酒屋も
美味しかったしなあ
ホテルの朝食に出たおばんざいも
美味しかったよなあ
おいしい精進料理も食べたいなあ
よし、今回は京都で
精進料理を食べまくるぞー
精進料理って
日本の元祖ベジタリアンだな
お肉のようで大豆ミートだったり
刺身のようでコンニャクだったりと
いろんな工夫がされてる
笹の葉に包まれた生麩まんじゅうは
精進料理の必須アイテムなのかな
関西風の出汁の効いた味付けは
私にはドストライクだ
美味しすぎて唸りながら食べた
よし‼️明日は嵐山の精進料理を食べよう
何しに来たんだかw
京都はあまりにもマニアックすぎて
どこをどう観光していいのか血迷う
京都に特別な思い入れもなく
その時の流れに任せようと思ってたら
友人がちょうどFacebookで
広隆寺の弥勒菩薩像を
見てきたと投稿してた
お、広隆寺と言えば
嵐電の沿線上じゃないの
これは行くでしょう
何年か前の夢で
マイトレーヤという言葉が出てきて
どんな意味だろうと調べたら
弥勒菩薩の別名だった
京都の寺社仏閣はどこもかしこも
綺麗に手入れの
行き届いた庭が美しい
いにしえの人たちの感性に
少しだけ触れられる瞬間
中に入るとたくさんの
国宝級の仏像が
所狭しと祀られている
仏像に特別興味が
あるわけではないけれど
しみじみ見てみると
どれもこれもいちいち美しく
まるで動き出しそうな
躍動感を感じる
その中でもひときわ目を引くのが
弥勒菩薩像だ
そこだけが異次元空間だった
どこかで何かで一度は
見たことがあるその姿を
実際に目の当たりにしたら
グッと胸に迫るものがあって
勝手にツツーっと涙が出た
なんでかはわからない
像の目の前には
畳が敷かれていたので
しばらく正座して静かに眺めていた
その仏像のすぐ隣には
別名を泣き弥勒と言われる
弥勒菩薩半跏思惟像(はんかしいぞう)
が祀られている
「一切衆生をいかにして
救おうかと考えている」
お姿を表している仏像だそう
仏像には興味がない私でも
これらの弥勒菩薩像には
言葉にはならない圧倒される何かを
感じずにはいられなかった
何でかいつまでもいつまでも
見ていたいと思った
ちょうどこの弥勒菩薩像の前に
御守りが並べられていて
箱にお金を入れれば勝手に
購入できるようだった
説明書きを読むと
弥勒菩薩のみならず空海さんと
一対になった御守りだとか
なんでも空海さんは
熱心に弥勒菩薩を
信仰していたらしく
広隆寺が火災に見舞われた時も
空海さんのお弟子さんが
再興に尽力したと言う
これもご縁なので
御守りを購入してみた
広隆寺を後にして
次に向かった先は
嵐山
もちろん精進料理狙い
嵐山駅のすぐそばにある天龍寺
後醍醐天皇の菩提を弔うために
足利尊氏が創建したお寺
そのお寺で運営している
精進料理のお店
龍門亭 篩月(しげつ)
青大豆をすり下ろした
お汁は初めて食べた
茄子の田楽も
きゅうりと生麩の胡麻和えも
初めて食べるものばかり
そしてうまーーーーい‼️
どれもこれもいちいちうまい
泣きそうになるくらいうまい
精進料理サイコーーー‼️
大きな急須にたっぷり入った
冷たいほうじ茶を
1人ガブ飲みしながら
幸せに浸ったひとときだった
このお寺は庭園も有名らしく
ちょうど紫陽花が真っ盛り
ぐるっと一周して
京都の初夏の草花を堪能した
本堂の前に広がる菖蒲池
前の日までは雨が降ってたのに
この日はお天気になって
一気に気温と湿度が上がって
結構な汗をかいた
まだ夜のフライトまでには
時間があったので
実は1番行きたかった場所へ向かう事に
そうです、太秦映画村です
朝の連続テレビ小説
カムカムエブリディの舞台で
ひなたの仕事場
次男からは
くだらないからやめておけと
言われてたにも関わらず
やっぱり来てしまった〜
カムカムの面影はまったくなく
ちょっと肩透かし
「本番スタート」と声が響くたびに
声を出さないで下さいと
スタッフから要請される
ま、とりあえず気が済んだので大満足
フライトの待ち時間に
あの宿坊は
女性限定って言う割には
即死レベルだったよなあと
しみじみ思い返しながら
あらためてググってみると
なにやら客間の写真が目に付いた
え?ここが客間?
なにこの閑静な佇まい
私が最初に通された部屋とは
まったく違うんですけど
オドロオドロしい襖じゃなくて
清涼な趣きの障子じゃないの
なにこの静寂な空間
どれどれ、見取り図ってあるのかな
あったわ…
私が通されたのは
庫裡っていう場所だったんだ
そこに泊まるわけじゃなかったんだ
客間はその奥だったのか
なんなら本堂にも
辿り着いてなかったのか
即死レベル勘違いは
私の方だったのかwww
やっちまったなーーーwww