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『両思い・・・・じゃねぇよ。今の彼女に告白されたって
全く嬉かねぇ。』
『だってこないだは、何もかも捨ててついて行きますって言われたら
悩むみたいなこと言ってたじゃない。』
あたしの言葉に、上野さんは1度
ウッ、と、何かを言おうとしたが、再びゴクンと空喉を鳴らした後で、
ポソっと呟いた。
『・・・思い出はな、結局思い出のまま、心に閉まっておくのが
一番綺麗なんだ。』
『・・・・どゆこと?』
『彼女、4年前に結婚したそうだ。んで、今、子供2人いて。』
その言葉に合わせるかのように、
投げやりのようにあたしの目の前に、右手で指を二本、立てた。
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