大阪松竹座の「御名残五月大歌舞伎」夜の部は
劇場とのお別れ”という特別感もあって
いつもの歌舞伎以上にしみじみとした
空気を感じる公演でした。
客席のみなさまも、この舞台をしっかり目に焼き付けたい
という思いが漂っていて
幕が開く前からどこか感慨深かった。
最初の『盛綱陣屋』は、とにかく見応えたっぷりの時代物
私には少し難しい話でしたが、強い味方のイヤホンガイドのお陰で
楽しめました。
仁左衛門さんの存在感が本当に圧倒的で
静かに座っているだけでも舞台が引き締まる感じがしました。
派手に感情を出すわけではないのに
人物の苦しみや覚悟がすごく伝わってきて
本当に、歌舞伎の重厚だなと感じました。
緊張感のある場面が続く中でも
役者さんたちの息の合った素晴らしい演技
長年積み重ねられてきた芸の力を感じました。
『心中月夜星野屋』では、一気に雰囲気が変わって
上方歌舞伎らしい笑いと人情味がたっぷりで
自然と笑いに包まれていました。
重たいタイトルから想像していたよりずっと親しみやすかったです。
七之助さんのおたかは可愛らしくて魅力的でした。
鴈治郎さんの柔らかな大阪ことばは
独特の温かさがあり、テンポの良いやり取りが心地よくて
関西人にはたまらない。
こういう上方歌舞伎が好きだなぁ。
最後の舞踊では、とにかく華やかで、お祭りのような高揚感
その一方で、これで松竹座見納めなんだなという寂しさも
役者さんたちが舞台を大切に務めている思いが伝わってきました。
大阪松竹座が、多くの人に愛されてきたんだなと改めて実感し
劇場で観る時間の特別さを強く感じた公演でした。










