今日はその第四十日目
その四『認知症の方を見守るための症状を知る』
⑩
『誤嚥〜摂食嚥下のstage〜嚥下』
毎日の生活の中で、行われている『飲み込む』
という行為。
気をつけたいのが『誤嚥』です。
誤嚥とは、唾液や食物、胃液などが食道ではなく、その隣にある気管に入ってしまうことをいいます。
食物や唾液に含まれた細菌が気管から肺に入り込むことで起こるのが『誤嚥性肺炎』です。
起きているときに気管にものが入ればむせて気づきますが、眠っている間に唾液を少しずつ誤嚥することがあり、これは気づきにくいものです。
ものを飲み込む
『摂食嚥下』は、5段階に分けられていまして、
初めの2つのstage
先行期、準備期が
『摂食』
次の3つのstage
口腔期、咽頭期、食道期が
『嚥下』
に当たります。
今日は『嚥下』について
飲食物を口の中(口腔)の奥から喉(咽喉)へ送る
『口腔期』
舌で食塊を咽頭に送り込むプロセス。
舌を口蓋に触れさせることで、口の中の圧が高まり、送り込む動作が促されます。
頬や唇にも同じ役割があります。
舌や頬の筋肉、口唇などに運動障害があると
咽喉に食塊が流れ続けて、誤嚥が起こりやすくなります。
嚥下中枢からの指令で食べ物を食堂へ送る
『咽頭期』
不随意的に、嚥下反射によって、食塊が食堂の入り口まで送り込まれるプロセス。
声門が閉まって、気道防御の体制が出来ると誤嚥が防止されますが、舌の周りや甲状腺の周りの骨が下垂している高齢者では、流れる速度の速い『水』などで、誤嚥のリスクが上がります。
飲食物を胃へ送り込む
『食道期』
消化器の蠕動運動と重力によって、食塊が食道から胃に送り込まれるプロセス。
自動的に食道の入り口が閉鎖されます。
この蠕動運動や、食道の入り口の筋肉に障害があると、誤嚥につながります。
『嚥下』のプロセスでは、口から喉、食道を経由して胃につながる部分が何らかの障害があることによる『誤嚥』のリスクが潜んでいます。
その『リスク』を一つ一つ確認しながら、認知症の方に寄り添います。
オレンジプランその四の⑩
『認知症の方を見守るための症状を知る
〜誤嚥〜摂食嚥下のstage〜嚥下』
旧暦文月廿一日
立秋
七十二侯-第三十九候
蒙霧升降(ふかききりまとう)
西暦2019年8月21日
※厚生労働省からの『オレンジプラン』
「認知症の人の意思が尊重され、できる限り住み慣れた地域のよい環境で自分らしく暮らし続けることができる社会を実現する」ために、「認知症施策推進5か年計画」(2012年9月公表のオレンジプラン)を改め、2015年1月に策定したものを「新オレンジプラン(認知症施策推進総合戦略)」といいます。
『認知症の人の意思が尊重され、その家族にも寄り添う』
自分自身の『オレンジプラン』を作っていきます。