それは単なる被害妄想ではないかと思われるかもしれない事を前置きします。


先日のきっかけを作ったミーティングの時の事。

Kがまず初めに私に話してきたテーマがドイツの政治についてでした。私はKが一体何を言い出したのかポカンとしてしまいました。ドイツ政府がしていることが気に入らない、政府や公共事業主を支払うのが嫌だとか...学校の地理の新書の教科書には嘘ばかりが書いてあるだとか...そして行き着いた先は、私のグループが参加したダンスフェスティバルはNRW州主催でドルトムント市が請け負って行われて開催しているからお金がまぁ、お役所の人達のところへ行くのが嫌だという事でした。このフェスティバル、うちのスタジオはかれこれ5年も参加しています。そんな事を言っていたら、外部のイベント参加はまず無理でしょう。


そしてドイツで現在進行形で燻っている難民問題。2016年の大量難民受け入れから随分と外国人が増えたのも事実で、さらに長引くウクライナ戦争でドイツ語も英語も話せない外国人が私の住む小さな田舎町でさえ増えました。うちのスタジオにも多くはありませんでしたが、難民としてやってきた子供達が来ていました。その親御さんは基本、市からの援助で子供達を趣味に通わせることができます。Kはなんと言いましょうか...態度があからさまな人でドイツ語が話せない人達の対応があまりに無関心なのです。そして難民受け入れをしてから学校の環境が悪くなった等の話に進んでいきました。ふと思ったのは“えっと、私も外国人なんですけど?”という疑問...その不満をぶつける相手間違ってるだろ?なんです。でもkが私によく言うのは“あなたはドイツ人と結婚してドイツにきたし、違う”でした。何が違うのかさっぱりわかりませんが、私がコロナ禍を通してアジアンヘイトや外国人差別について向き合う事ができた事で今までKが時々、サラッと言う外国人批判を今までは聞き流せていたこともそうする事が出来なくなりました。私はあまり差別を感じずに長い間生活していましたが、一番身近にいた人が一番実はヤバい人だったのではないかと思い始めました。


私とKの両方のコースを昨年秋から通っていたロシア人の9歳ぐらいの子が春先頃から全く来なくなっていて、その子の退会書が届いたと言うことでした。Kの第一声が“この子、全く踊れないし、全くドイツ語も話せなかったし...”でした。この子が踊れないと言うよりかは全くスポーツ経験がないのか運動音痴なのか根本的に何もできなかったのは私も認めますが、いや、この子、私や周りの友達と普通にドイツ語話してたよって。始めは確かに不安定なドイツ語でしたが、子供達は一般のドイツの学校に通うし、3ヶ月もすると会話が出来るほどのドイツ語になっていきます。結局、Kは彼女に声がけする事をしなかったんだなと。Kの場合、外国人であろうがドイツ人であろうが関係なく自分のお気に入りグループとお気に入りの生徒さんにはあからさまに良い態度を取る傾向があり、それから外れてしまうと結構傷つく対応、言葉を言われ、辞めていった人達が沢山います。実際、Kがどのように認識しているかは分かりませんが、そう言う生徒さんに対して必ず言うのが“辞めてくれて良かった.”なのです。なんだか私はただただ心が痛いというかもう少し言いようがないものかと。


Kが言う反外国人的な発言は私も言われた事があって、今まで聞き流してきた事が段々と蘇ってきて.....という事は今まで私は気づかないようにしてきただけなのだと...それがしっくりときました