ロックダウンから1週間が経ち、

今回は、なんだか春のロックダウンより
気持ちが沈むなぁと同業者の友人達と話をした。
なんとなーくな将来への不安感は、
どうしてもぬぐいきれない、
どうなっちゃうんだろうという気持ちと
このまま乗り切れるのかという
不安が凄く大きい。

そんな週末に初めて手に取った
古市さんの本、”ask me why”。
私は、今まで彼の本を読んだ事がなくて、
正直、テレビにコメンテーターとして
活躍する姿や猫を飼っていらっしゃる
ぐらいの認識しかなかった。

こんな時だから何か読みたいなぁと...
そして事件などが起こらない
人が人と向き合うような作品を探し、
この本に出会った。

ただ私は、あまり本のあらすじや評判を
見ずにこの本を購入したので、
舞台がアムステルダムだったり、
恋愛模様が男性同士だったりというのを
まったく知らないで読み始めた。
ちょこちょこ時間を捜しながら読むのは、
嫌だったので、落ち着いて一気に読めるぞ
という瞬間を見計らって、
ロックダウン1週目の仕事終わりの夜に
読み始めた。

感想から言うと、
“へぇー、古市さんってこう言う文章を
書く人だったんだ〜、
テレビの印象とは全く違うなぁ”
と思った。
物語も考えさせられる事ばかりで、
生きるってなんなのだろう、
本当はもっと自分に正直に、
そして大切な人たちを信じて頼っても
いいんじゃないか等、
本の世界観に今日は一日中、浸ってしまった。
結局、読み終えたのは、
今日の朝だったんだけどね、
一気に読破するには、
読み始めた時間が遅すぎた。

この物語の舞台がアムステルダムで、
登場人物が旅行に出かけるのが
ドイツのハンブルグだったりと
身近に感じる土地柄も
情景を想像しやすかった。

アムステルダムは、
イギリス留学当時に
友達と短い旅行をした場所。
ハンブルグは、行ってみたいと
思いながらも車で通過しかした事がない。
ハンブルグといえば、
やっぱりミュージカルで
観に行きたい作品は沢山あるし、
ハンブルグバレエ団も見たいが、
日帰りで行けない所なので、
中々、ハードルが高い。
でもまぁ、ドイツなので作品の中の
情景がなんとなく思い浮かぶ。
とにかく今、読んでとても良かったと
思える作品だった。

そしてこの本から思い出した事がある。
私がイギリス留学していた当時も
ドラッグ(マリファナ)パーティーはあった。
友人の中には、その為に
オランダへちょっと行ってくる
という人もいた。
実際、友人に友達のところで
パーティーあるから行こうよと
誘われて行ったのが
実は、マリファナパーティーだった事もある。
念のためですが、私は手を出してませんよ〜。
当時の私は、喫煙者だったが、
タバコや巻きたばこのタバクとは、
明らかに臭いが違うし、
私はその匂いが
どうもダメだったのもあったのか、
やっている子は、
結構な割合で分かった。
鬼滅の炭次郎までは、いかないけど
私は結構臭いというものに
敏感な方なのもあるかも知れない。

この作品の中に描かれた性の問題も
身近にあった時期があった。
学生時代のバイト先の居酒屋で
出会った彼女が
実はちょっと前まで彼だったという事実。
彼女は大学も卒業し、
バイトをしていた時期は
重なってはいなかったが、
店長がまぁ、面倒見がいい人で
社会人になり、辞めて行った人達も
また店長に会いたくなって
飲みにくるような人だった。
彼女は、バイトをしていた当時に
彼から彼女に施術も受けて生まれ変わった。
店長は、彼女が飲みに来た時に
冗談まじりに彼女の昔話を
彼女と共にしてくれた。
彼女が飲みに来てくれた時は、
バイト終わりにみんなで何度か飲みに行った。
私の中では、彼女は女性として
出会ったのもあるかも知れないけど
それが普通だった。
彼女の話はとても面白く、
どこか儚げで繊細な人だった。

なんだかこの本、とっても心地が良くて
優しい気持ちにさせてくれるものだった。