たまたま見た中居くんの
“新・日本男児と中居”で、
アンパンマンをこよなく愛する方が
出演していた。
“アンパンマンラー?!”と呼ばれた
その方は、どうやらアンパンマンという
キャラクターから作者である
やなせたかし先生の言葉に
魅了されたようだった。
この番組を見ていて、
“私もそうだった!”と思い出した。

夫が逝ってしまって、
初めて日本に里帰りした夏は、
娘が3歳になったばかりの頃。
娘が当時好きだったのは、
しまじろうとアンパンマン。
その年から毎年、里帰りの際に
何か一本は映画館で
映画を見るようになった。

そして見に行った
アンパンマン映画
“夢猫の国のニャニィ”。

私はこれを見ながら号泣した。
“たかがアンパンマン”でなんで?
と思われるかもしれないが、
“されどアンパンマン”
親が子を育てる思い、
子が成長してく過程での
親の葛藤や子の思い、
そしてやがてやってくる
お互いの別れ、旅立ち。
あの愛くるしいキャラクター達が
実にコンパクトに伝える言葉達が
やんわりと心を和ませてくれる...はずが、
私は、号泣だったんですわ。

このニャニィちゃんが
また凄く可愛くて、
ママになるメロンパンナちゃんは、
娘のお気に入りだった。
甘えん坊だったニャニィちゃんが
最後には、成長してママ(メロンパンナちゃん)を
みんなを守る為に
アンパンマンと共に戦う姿。
こんな短い映画のストーリーに
これから私が一人で
背負っていく物の大きさと
いつの日か大人になった
娘の成長した姿を夢見る事が
できたとても心が暖まる映画だった。

その他のキャラクター達も
(バイキンマンでさえも)
大人が見ても必ず共感できる言葉や
問題提起が沢山あって、
見方を変えると大人の私達が
忘れてはいけない事が
たくさん散りばめてある作品だった。

でも当時は、
私自身の環境のせいで、
この映画が心に突き刺さり、
感動したのだろうとずっと思っていた。
それにしてもアンパンマン映画で
一緒に行った母親が映画鑑賞中に
号泣ってどんな絵?って
今、思い出しても
自分自身で苦笑い。
当の娘は多分だけど、
全く私のそんな状況には気づかず、
全集中で映像に釘付けだったけどね。

そして中居くんの番組を見終わった後、
久しぶりにこの映画の
DVDを見てみたら...やっぱり泣けた。

ただ以前と違ったのは、
大人になった子供の旅立ちは
寂しいようなでも嬉しさもあって、
親はいつまでも子の味方で
見守っているよという気持ち。

アンパンマンに出てくる
キャラクター達の愛らしさから
物語が伝えるメッセージ性...
やなせたかし先生、恐るべし。